春の合コン 3
「…………本当に来たんですか?」
日曜日の午前。待ち合わせの場所だった駅前へ春菜と一緒に行くと、既に来ていた茶髪の子(加奈ちゃん?)は、呆れた目で俺を見た
「なんだよ、文句あるのかよ」
春菜が加奈ちゃんに詰め寄る。その姿は、めちゃくちゃ男っぽい
「俺が悪いんだから、友達を責めるなって。……あ〜、心配しなくても着いて行かないから」
俺がそう言うと、加奈ちゃんは頬を緩ませ
「ですよね〜」
っと、言った
「え〜兄貴、一緒じゃないのかよ〜。……行くの止めようかな」
「ち、ちょっと春菜〜」
「こらこら。俺の事は良いから楽しんで来なさい」
「だけどよ〜」
「たく……お、向こうで手を振ってる子が居るぞ。お前の誕生日ん時に見たな」
「あ、真理だ。よ〜」
春菜は友達の元に駆けて行く
「……色々ごめんな。アイツ結構寂しがり屋だからさ。春菜の事、頼んだよ」
「はい、任せて下さい!」
ニッコリと頷く絵里ちゃんに頷き返し、俺は家の方向に向かって歩く
「さて、俺は引き上げるとするか。余り遅くなるなよ春菜〜」
「ああ! 食ったら直ぐ帰る〜」
「ふ、じゃあな」
春菜達と別れて、俺は家に……帰らないで!
ささっと、俺の方の待ち合わせ場所である駅前銅像の裏に回って、そこから観察開始!!
「……そろそろだな」
春菜達を観察しながら携帯を見ると、もうすぐ待ち合わせの時間となっていた
凄まじく気は進まなかったけど、こんな事を頼める人は他に居ない。そして、こんな時には凄く頼りなる……様な気がする
「むっ!」
春菜達が移動を始めやがった
どうやら彼女は間に合わなかったらしい。取り敢えず先に追跡を……
「お待たせです!」
「ぐえ!?」
後ろから首に抱き着かれた!?
「今日はストーカーのお誘いありがとうございます。精一杯、付け回しますから宜しくお願いしますね」
「く、首、くび、くび!」
「おっと失礼しました」
首、解放!
「ふひ〜、ゴホ、ゴホ…………ふぅ。……き、今日は無理を聞いて頂き、ありがとうございます」
咳込みながら後ろを向くと、そこにはチェックのミニフレアスカートに、淡い黄色のサマーセーターを着た美女の姿
「お礼は松茸でお願いします。ずばり15センチと見ましたよ!」
最終兵器、徳永 綾音さんだ!