俺の夢 3
「う…………あ、お姉様おはよぉ」
「お姉様!?」
「どうしたの?」
「ど、どうしたのって…………え? なにこれ」
何でこんなセクシーな乳が? い、いやそうじゃなくて、俺が女って……
「あら? お姉様、まだ起きるには早いみたい。太陽さんが、まだおねむよ」
「お前、キャラ違くね!?」
「……本当に大丈夫?」
春菜は布団から起き上がる。春菜もまた、何も身につけていない裸体だった
「つか、寝巻きぐらい着て寝ろよ!」
「何を言っているの? 私達の寝巻きはシャネルの五番でしょう?」
「マリリン!?」
「恐い夢を見たのね、姉様。……可哀相なお姉様」
春菜は、そっと俺の腕を手に取り、胸で抱きしめる
「ゆ、夢? い、いや、俺は確か男で……」
「何を言っているの? うちは六人家族で五姉妹の女系家族じゃない」
女系家族!!
その単語を聞いた瞬間、俺の身体に電流が走った
「そ、そう。今までの事は全て夢だったのね……」
どうりで私だけモテない筈だわ。女が女にモテる訳無いものね!
「……長い夢だったわ」
今となっては、なにもかもが懐かしい
「春菜、確かに朝はまだまだ先のようね。もう一眠りしましょうか?」
「はい、恭子姉様」
春菜を胸に抱き、その温もりを感じつつアタシは寝るのでした。もう、変な夢を見ないように祈りながら……
[女系家族]
出演者
長女、佐藤 夏紀
次女、佐藤 秋
三女、佐藤 恭子
四女、佐藤 春菜
末っ子、佐藤 雪葉
母、母
【完】
「って、違うだろ!!」
「うあ? うぁ……スピースピー」
「あれ? 此処は……」
気付くとそこは、春菜の部屋ではなく、リビングだった
辺りはまだ暗く、当然、俺に胸はない。時計を見てみると、針は午前四時を指す
「……いたたた」
テーブルに突っ伏して寝ていたらしく、身体の節々が痛い
「ふぅ……ん?」
目の前にはビールの缶に埋もれて眠る夏紀姉ちゃん。どうやら酒を飲んでる途中で眠ってしまったらしい
「たく、風邪引くっての」
俺はため息を付いて、夏紀姉ちゃんを起こすべく立ち上がった