表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
204/518

第99話:俺の夢

「お兄ちゃん!」


リビングでお茶を飲んでいると、雪葉が怒りの表情を浮かべて俺の前へと来た


「ど、どうした雪葉?」


「私は雪葉では無い!」


「は?」


「見破れるかな?」


不敵に笑うと、雪葉の身体が三重にブレ出す。乱視か?


「ふふふ」


「ふふふ」


「ふふふ」


「な、なに!? 雪葉が三人に!」


「さぁ、お兄ちゃん」


「本物の雪葉は誰か」


「当ててみて」


「う、うむ〜」


姿形は勿論、声も雰囲気も同じに見える


「お兄ちゃん大好き!」


右の雪葉が俺の左腕に飛び付き、ギュっと抱きしめてきた


「雪葉も好き〜」


左の雪葉は俺の右腕に


「…………」


真ん中の雪葉だけ、遠慮がちに俺を見つめて寄って来ない


「俺の大切な妹は真ん中の雪葉だ!!」


そう叫んだ瞬間、左右の雪葉は消えた


「あ……お、お兄ちゃん、お兄ちゃん!」


ひしっと抱き合う兄と妹。何と美しき光景よ


「お兄ちゃん♪」


「なんだい、雪葉」


「引っ掛かったな」


「え? なっ!?」


消えた筈のニセ雪葉が甦る


「私達の中に本物なんていなかったのさ!」


「な、なんだって〜!」


「本物は……」


がちゃり。リビングのドアが開く


「ただいま〜。……え? お、お兄ちゃん、その妹達は誰!?」


「ゆ、ゆき」


「おに〜ちゃん」


「えへ〜」


「ちゅっ。大好き〜」


「あ……う……お、お兄ちゃんのばかぁ! ウルトラシスコン!!」


雪葉は泣きながら、リビングを飛び出した


ま、まって、ゆ


「雪葉〜!! …………?」


気付くとそこはリビングではなく、俺の部屋だった


辺りはまだ暗く、当然、三人の雪葉は居ない。時計の針は午前二時を指す


「…………夢?」


夢か……


「ふぅ」


恐ろしい夢だった



コンコン



パジャマの袖で額の汗を拭っていると、ノックの音が部屋に響く


「ん? 誰?」


「…………私」


「秋姉! ちょっと待ってて!!」


「……うん」


俺は慌ててベットから飛び起きた


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ