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雪のお仕事 4

最終試合


【おもてなし対決】


「いや、おもてなしって言われてもね」


兄をもてなして、どうするのでしょうか?


「どっちがよりお兄ちゃんをおもてなし出来るか勝負だよ、お姉ちゃん!」


「よっしゃ〜! じゃさっそく……おもてなしって何? …………裏?」


「先ずは辞書を引いてみよう」


説明するのも面倒臭い


「おもてなしって言うのは、大切なお客さんを歓迎してお世話する事だよ。じゃあお兄ちゃん、お部屋で準備してくるから、お兄ちゃんはリビングのソファーで待っててね」


「はぁ、分かりました」


良く分からんが、適当に頷いておく。それは素敵な処世術


先にキッチンを出た雪葉を見送って、俺もまた春菜と共にリビングへと行く


「おもてなし……う〜ん」


「……まぁ、そんなに考える事は無いぞ。適当にやれ、適当に」


「適当か〜、う〜ん」


「…………」


不安だ



チクタク、チクタク、チクタク、チクタク


不安な気持ちを抱えつつ、お爺さんになってしまいそうな時計の音を聴きながら、ソファーで待つ事5分


「お待たせ、お兄ちゃん!」


リビングへ元気良く入って来たのは、体操着姿の雪葉さん


「……ちょっと待っててね、兄ちゃん頭痛くなって来たから」


「え!? 大変! 横になってお兄ちゃん!」


「ああ、そうさせてもらうよ……」


ソファーの上で横になる。このまま眠ってうやむやにした方が良さそうだ


「お兄ちゃん」


そんな俺の側に雪葉は来て、ソファーに座る。そして……


「……ひざ枕かよ」


ぱたぱたぱた


「団扇まで……」


涼しいけどさ


「耳かきと爪切りもあるよ」


雪葉は短パンのポケットから、耳かきと爪切りを取り出した


「あのなぁ……」


「はい、お兄ちゃん。飴だよ」


いちごミルクだ


「は、はぁ……どうも」


「あ〜ん」


「お前ね……」


いや、まぁ良いけどさ


「なるほど、あれがおもてなし……」


「ち、ちが」


「よし、分かった!」


そう言い、リビングを飛び出す妹


「ち、違うぞ春菜〜、これはおもてなしじゃないぞ〜」


しかし私の声は届かなかったのでした……



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