秋の見学会 5
「ごちそうさま!」
普段の倍近い速度で食べ、ごちそうさまをする。早く秋姉を探さなければ!
「早食いは胃に悪いわよ。……ごちそうさま」
「姉ちゃんも十分早いって」
「ま、とにかくこれでアタシの役目も終わりね。暑い中来てやったんだから感謝しなさいよ?」
「……ありがとう」
何しに来たんだろこの人
「さて、帰るわ」
「え〜? 本当に帰っちゃうの〜? 夏紀姉ちゃんにも見て欲しかったのに残念だな〜」
帰れ帰れ!
「ん? ……ふん、いつまで経っても甘え癖が抜けない奴ね。しょうがない、残り二教科だっけ? 一教科だけ見てあげるわよ」
本当世話が焼けるわと、姉ちゃんはため息をつく
「え!? い、いいよ! 忙しいんだろ? 姉ちゃんにそんな迷惑を掛ける訳にはいかないって!」
「あらそう? なら貸しにしてあげる。今度返しなさい」
ヤブヘビ!?
「じゃ、教室に戻るわよ」
「う、うん」
大失敗だ……
ずんずんと、我が物顔で廊下を歩く姉ちゃんの後を、後悔と絶望を背負いついてゆく
途中、すれ違う人達が夏紀姉ちゃんをチラチラ見たり、好意的な声を上げたりしているが当の本人は気にも止めていない
「……図太いな」
「あ? 何か言った?」
「いいえ」
キョウスケは無表情を覚えた!
スキルアップしながら教室の前へ辿り着く
「秋姉は居るかな?」
俺は夏紀姉ちゃんと並んで教室へ……
「…………姉さん。僕は一体なにを見ているのでしょう」
「は?」
「僕は今、奇跡を見ている」
「はぁ?」
「神様は本当に居たんだよ姉さん……ああ、ハレルヤ」
気付けば俺は涙を流していた。それは限りなく透明に近いブルー的な……
「……アンタ頭、大丈夫?」
姉がマジで引いてるが、そんな些細な事はどうでもいい
教室の中で凛と佇む花一輪。それは
「秋姉!」
「あ……恭介」
優しく微笑む秋姉だ!!
今日のハッスル
俺>>>>>>>>秋>>>>夏
ツヅーク