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俺のおやすみ 3

「よっこら……し、しょっと」


秋姉と同じ様に春菜を抱き抱えると、妙に重い


「……お前、体重いくつだ?」


「ん? 43だったと思うぞ」


「軽っ!?」


飯、ちゃんと食ってるのか? ……食ってるわな


「やはり秋姉は天上の女神なのか?」


女神には体重なんて無いのさ


「……兄貴って馬鹿だよな」


「はっきり言わないでくれません? ほれ、ドアを開けなせい」


「うん」


春菜にドアを開けて貰って廊下へ


「しかし大きくなったな春菜」


昔は良くケガをした春菜を迎えに行き、おぶって帰ったものだ


「へへ。兄貴も結構逞しくなったぞ」


春菜は俺の首から腕を離し、胸を触ってきやがった


「くすぐったっての」


「胸板、結構厚いじゃん。……もう兄貴に腕相撲とか敵わないかもな」


いや、余裕で勝てるだろ


「私なんか、ぷにぷにだぜ? 触ってみろよ」


自分の胸を下から持ち上げ、そう言う春菜


「君は馬鹿か」


兄ちゃん、お前の将来が心配だよ


「あ〜馬鹿にしたな〜。このやろ〜」


俺の腕の中で春菜は暴れ、俺の弱点である脇をくすぐってきた


「ば、馬鹿、止めろ! くすぐったいっつ、危ないって!! うわっ!?」


体勢を崩し、俺と春菜は縺れ合うように倒れ込む


俺は春菜を潰さない様に咄嗟に手を廊下の板につく。手の平に痺れるような痛みが走った


「だ、大丈夫か春菜!」


触れそうな程近くにある春菜の顔。その瞳は軽く潤んでいる


「……うん。大丈夫だよ、兄貴」


「そうか、良かっ!?」


身体を起こそうとした俺の身体を、春菜はギュッと抱きしめた


「兄貴……。兄貴はどうして私の兄貴なんだ?」


「……春菜、お前」


「兄貴が父ちゃんなら父ちゃん二人になるのに」


「言うと思ったぞ、このやろう!」


酔っ払いやがって!


「おにぃちゃん!」


「うわ!?」


突然俺の部屋のドアが開き、雪葉が怒りの表情で出て来た


「ま、まだ酔ってるのか?」


「その女は誰なのです! 雪葉というものがありながら、浮気なのですか!?」


「また変なドラマ見たな!?」


「雪葉は思うのです、浮気も男の甲斐と。ですが、まだ雪葉達は新婚なのですよ! 成田離婚ですか!?」


「良いからもう寝なさい」


見たドラマが分かったし


「と~ちゃん」


「俺はお前の父ちゃんじゃねぇよ! ってかいい加減離せよ!」


「お兄ちゃん!」


「俺は雪葉の兄ちゃんじゃ無いぞ! ……いや、良いのか」


「もう寝る」


「此処で寝るなよ!」


「……ベッドに運んで?」


「一人で行けよ!」


「お兄ちゃん!」


「なにさ!?」


「雪葉トイレ」


「一人で行きなよ!」


「兄貴!」


「なんだよもう!?」


「腹減ったぞ」


「気持ち悪いんじゃないのか!?」


「お兄ちゃん」


「な、なんだい、雪葉」


「おしっこ」


「年齢退行してないか、お前!?」


「……うっ」


「ど、どうした?」


「…………吐きそう」


「え゛!?」


「……雪葉も」


「えぇ!?」


ふらふらと俺に近付いてくる雪葉さん


「に、逃げ……うげっ」


逃げ出そうとする俺を、春菜がガッシリキャッチ


そして……


「ギャー!!!」




今日の悪魔


夏≧春≧雪>>>>>>>>>母>>>>>>>>>>>>>>>秋


「ご、ごめん兄貴」


「ご、ごめんなさい、お兄ちゃん」



「良いさ。所詮俺は汚れ役なのさ……ぐす」


鼓滝


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