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秋の水泳教室 5

「お、一昨日、雪から誘われたプール場に着たわ! 来たのはあくまでも雪に誘われたからで他に理由は無いけどっ!」


雪葉と食べ合いっこしていると、入口から棒読みすぎる声がした


「ん? あれは……」



入口を見ると、何処で見た事がある白いローライズビキニ姿の小学生ってか花梨


「あ、あら奇遇ね。最近会わなかったから、死んでるのかと思ったわ!」


花梨は俺達に近付き、早速イヤミを言ってきやがりました


「お前ね……ってお前、ビキニは早……?」


あれ?


「……な、なによ?」


「い、いや、なんか違和感が……」


腕を前に組み、何故か恥ずかしそうに視線を逸らす花梨さん。その胸には谷間が……


「……お前その歳で胸パットン!?」


腹部に強打!?


「使ってない!」


「い、いや、だって雪葉より……」


「雪葉より何? ……おにぃちゃん?」


雪葉の目がギラリの光り、口許には三日月のような笑みを!?


「な、なんでも無い……です」


「だよね♪ こんにちは、花梨ちゃん。来てくれてありがとう!」


「ええ。誘われた時に返事出来なくてごめんなさいね」


「ううん、来てくれたんだもん嬉しい。あ、でも美月ちゃん達はやっぱり来れなかったんだ」


「いいえ、一緒に来てるわ」


花梨が入口を見るのと同時に、元気一杯な声がプール内に響いた


「兄ちゃん〜!!」


「お! 美月!!」


青と黒の線を使った、涼しげな柄のタンクトップビキニ、俗に言うタンキニを着た美月が、手をぶんぶん振りながら小走りてこちらに向かって来る


「こらこら、危ないぞ。しかし美月もビキニか」


小学生がビキニ……。兄ちゃんカルチャーショックだぜ


「……っ!?」


美月をぼーっと見ていると、凄まじい殺気が直ぐ傍からした


「美月ちゃん、おっきいでしょ〜。ねぇ……お兄ちゃん?」


「嬉しそうに胸ばかり見て……通報するわよ?」


「いやいや!? 見てねーよ? 美月なんか見てねーよ!!」


どんな誤解やねん!


「……兄ちゃん、わたしの事見てくれないの?」


俺の傍まで来た美月は足を止め、大きな目で不安そうに俺を見つめる


「い、いや、美月最高! もっとお前を見せてくれ!! 俺はお前の胸が大好きだ! (混乱中)」


「変態が!!」


「アクエリアスっ!?」


再び中身の入ったペットボトルが俺の後頭部にヒット。107のダメージ


「あ! なっちゃん!」


「久しぶりね美月。後、花梨ちゃんだっけ? この変態はほっといて少し泳ぎましょ?」


「うん、いいよ!」


夏紀姉ちゃんは起き上がり、俺に素晴らしく冷たい目を向けた後、美月を連れてプールへと入っていった


「あ、あの超ズボラな夏紀姉ちゃんを動かすとは……流石美月」


「…………」


「…………」


「……え? 何、この冷たい視線?」


「あたし達も行きましょう、雪」


「うん。お兄ちゃんなんかと遊ぶより、夏お姉ちゃん達と遊んだ方が楽しそうだもん」


「な、なんか……」


花梨と雪葉は、戸惑う俺を置いて夏紀姉ちゃん達の方へ行ってしまった


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