表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
140/518

番外編!

悲劇。それはテレビの何気ない一言から始まった


《家族の仲で一番好きなのは誰ですか?》


「何よ、この質問。誰と答えても角が立つじゃない」


下らないと言いながら、ビールを飲む夏紀姉ちゃん。夕食を食べた後のビールは欠かせないらしい


「ほんとよね~。因みにお母さんはお父さん~」


母ちゃんは飾ってある親父の写真立てに向かい、投げキッスをする


「そういえば、うちには父親が居たのよね」


「きっと、何処かで私達を見守ってるわ~」


なんだか故人みたいだな親父……


「私も父ちゃんかな。勿論みんな好きだけどな! 夏姉は?」


「アタシは恭……は、無いわね。アタシは皆、同じぐらい好きよ。一匹除いて」


一匹は僕ですか?


「……私も好き。みんな大好き」

優しく微笑む秋姉。オラも大好きや!!


「で、アンタは?」


「え? 俺? 俺は」


誰と言われても困るけど……。一番は、やっぱり秋姉かな!


(ま、アキでしょうけど)


(やっぱり秋姉だろうなぁ)


(秋お姉ちゃんだよね、きっと……)


(秋よね〜。とっても仲良いもの〜)


(……母さん?)


「う!?」


五人の家族にジッと見つめられ、俺は脂汗を流す。

 確かに、どう答えても角が立ちそうだ……


「お、俺は……」


「俺は……何よ?」


「何、お兄ちゃん!?」


「ま、私じゃないのは確実だけどな!」


「あらあら〜」


「……母さんかな?」


(でも昔、一番仲良かったのはアタシなのよね。なんだかんだ言っても……アタシ?)


(あ、だけど最近、兄貴とよく遊んでるし……私かも)


(雪葉は、みんなの事大好きだけど、やっぱり一番はお兄ちゃん。もしかしてお兄ちゃんも……)


(でも〜、大穴で母さんだったり〜)


(……父さん?)


「お、俺は……」


「俺は!?」

「俺は!?」

「俺は!?」


「誰かしら〜」


「……父さんかな?」


「そ、そう! 親父が一番好きっ!」


「……逃げたわね?」


「お兄ちゃん!」


「兄貴!!」


「あらあら〜」


「ん、当たり」


ピースサインを出す秋姉と、迫り来る三人の姉妹


「だ、だって皆、大好きなんだ! 一番なんて決められないって!!」


そうさ、僕はこの女系家族が大好きなんだ!


「……詭弁ね」


「軟弱だな」


「優柔不断だよ!」


「馬鹿ね〜」


「??」


その日から暫くの間、大好きな家族達の目は、一人の姉を除いて冷たかった……




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ