直の苦悩 2
「しかし成る程。流石の春菜でも公衆の面前でスカートを脱がされれば怒るわな」
なんだか兄ちゃんホッとしたぜ
「あ、いえ。それもそうなのですが、一番の原因は春菜のポケットに入っていた焼きそばパンが潰れてしまった事なんです」
「…………」
「……お兄さん?」
「……いや、良いんだ。素直に育ってくれた、それだけで兄ちゃんは嬉しい」
目からこぼれ落ちる液体は、ただの汗さ
「原因は分かったよ。今度焼きそばパンにメロンパンを付けて謝りに行きなさい」
きっと許してくれるさ
「は、はい……」
直也君は自信なげに頷いた
「……しょうがないな」
春菜を想ってくれる素直な少年の為、ちょっと気合いを入れてやるか
「直也君、いや、直也!」
「は、はいっ!」
「いつまでも、うじうじするんじゃない!!」
「す、すみません!」
「お前は男だろ? チ〇ポ付いているんだろ!」
「は、はい! 付いています!!」
「デカイのか!?」
「……はい?」
「お前の漢はデカイのか!」
「あっ! わ、分かりません!! ですがお兄さんみたいなデカイ漢になりたいと思ってます!」
「俺はデカイか!」
「はい! デカイです!」
「本当にデカイか!」
「はいっ! 本当に、本当にデカイです!!」
「俺のようにデカクなりたいだと? ……なら見せてみろ」
……ごくり
直也君が唾を飲む
「お前の漢を俺に見せてみろ〜!!」
「はい!!」
「裸になれ! 真っ裸になって本当のお前を見せてみろ!!」
「お兄さん……いや、兄貴! 俺、俺っ!!」
「……言葉なんかいらねぇ。さぁ、突っ込んで来い! 砕けて来い!!」
今すぐ春菜の元へ行き、本気のお前で謝るんだ!
「はい、兄貴! 行きます、行ってきます!!」
直也君はワイシャツを脱ぎ、シャツ一枚の身軽な格好となって春菜を走り追う……前に
「その前にちょーっと来てくれるかなぁ?」
肩を掴まれました。終わり
今日の補導
俺≧直
「……ふふ。このカツ丼しょっぱいなぁ、直也」
「……はい、涙の味かします」
慎む