表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
132/518

夏の白雪姫 7

《一方その頃の王子様~》


き、来た! 行くぞ~


《ヤ、ヤア、森ノ中ニ獲物ヲ狩ニキタゾウ》


声が上擦り、足がガクガクしてしまう。や、やばい


《中国に留学していた王子様~。昨日飛行機で帰って来たばかりで時差ボケが酷いみたい~》


ナイスフォロー! ……なのか?


《カサカサ、カサカサ》


一匹のゴキブリが現れた!


《って町内会長!?》


なんて哀れな姿に……


《こ、此処を通りたければ私を倒して行きなさい。うぅ》


涙ぐむ町内会長を見て、俺の迷いは晴れた


《グェ!》


這いずる町内会長、もといゴキブリを踏み潰し、俺は先へと進む


《ありがとう、貴方の勇気と犠牲は忘れない》


《グッドラック、王子様》


ゴキブリはサムズアップをし、うつ伏せに倒れた


「……あんな役よりは、王子様の方が千倍マシだな」


良かった、王子様で


《澄んだ空気に木々の香り。私は今、生きている~。さぁ獲物は何処だ、ラララのラー》


《……王子様》


《え?》


《……王子様》


《あ、秋姉?》


声はするけど姿は見えず


《い、いったい何処に?》


《……こっち》


《こっちって木のセットしか……ぶっ!》


木の被り物をした秋姉が、木々に混じって立っていた


《な、なんてシュールな……》


流石にこれはちょっと無いぜ


《私の後ろに……来て? 王子様》


《はーい!》


いや、やはり例え木でも美しい……


秋姉の指示でセットの裏に廻ると、棺が二つ


《これは?》


疑問に思って振り返ると、秋姉がてきぱきとセットを片付けており、舞台が見える様にしていた


なんて働き者の木なのだ……


《それじゃ》


木は素早く舞台裏に消える


《ありがとう、木の女神~。……しかしこれは?》


打ち合わせでは棺は一つだった筈なんだけどな


疑問に思いながら二つの棺に近付き、覗き込むと、中には夏紀姉ちゃんと般若さん


「な、なんで小人さんまで?」


《さぁ王子様がキスするのはどちらの唇だ~! シンキングタ~イム》


《うわ!? ビ、ビックリした……》


やっぱりノリが昭和だね、母ちゃん


しかし成る程、夏紀姉ちゃんか雪葉のどっちかを選ばせるつもりか


《どちらだって? そんなの決まっている》 


俺は姫が眠る棺へと近付き……


「そうだろ、雪姫」


夏紀姉ちゃんにキスなんかしたら殺され兼ねない


「えっ!? お、お兄ちゃ……ん」


般若の面に、そっとキスをした


《その瞬間! 呪われし般若の面が真っ二つに割れ、可愛いらしい姫の姿が~》


《ありがとう、王子様! やっと呪いが解けました!!》


《そうです、この小人こそが真の白雪姫なのでした~》


《さぁ踊ろう、我が姫、白雪よ! 愛と希望の歌を音楽に!!》


《はい! おに……王子様!! 白雪は、ずっと王子様についてゆきます!!》


ララララー、ララララー


《……何この芝居》


大歓声の中、眠ったままの夏紀姉ちゃんの一言を最後に、このアドリブだらけの白雪姫は無事幕を閉じたのだった




今日の姫様


雪>>>>秋>夏


続けそう

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ