第69話:春の勉強
佐藤家で一番バカなのは誰か? この問いに対してまことに遺憾ながら、約半数の人間が俺と答える。2位は僅差で佐藤 春菜さん
しかし、学校の成績で言えば俺は結構良い方であり、平均点を下回る事は先ず無い。春菜は……いや、何も言うまい
で、比較してみると大体こんな感じになる
夏>>>>秋>>俺>雪>>>春
そう、夏紀姉ちゃんは別格なのだ。性格の悪さは頭には関係無いと言う事だな……いてて
「……で、何処が分からないんだよ」
時刻は午後10時、場所は相変わらず綺麗に片付いた春菜の部屋
往復ビンタと言う素敵な技をくらい、腫れた頬を氷枕で冷やしながら俺は尋ねた
「分からない所が分からない」
珍しく気弱に春菜は言う
「……基礎からやるか」
今日は徹夜になりそうだ
午後11時
「う~分からない~」
「だからこれはこうで、こうなんだって。ほれ、やってみな」
「う~、……あ! こうか!」
「ああ! 良く理解したな、偉いぞ春菜」
「へへ!」
午前12時45分
「……眠い」
「寝るな! ほれ、この問題解け!!」
「う~眠い~」
「……たく、五分だけだからな」
「うん……すーすー」
午前2時
「ほら、鍋焼きうどんだぞ! これ食ってもう一頑張りだ!!」
「待ってました! う~うんま~。もう兄貴、大好き!!」
午前3時
「あ、兄貴なんて大嫌いだ!」
「喧しい! 嫌いで良いから早く解け!! おらこんなもんも分からないのか!?」
「鬼! 悪魔!!」
「ああ! 鬼にも悪魔にもなってやるよ! ほら解け!!」
「兄貴のバカ~」
午前4時50分
「い、いちたすいちはさん?」
「さ、さんはよんのまえだぞはるな~」
「よん、よん……う~」
「ねるな~、ねたらしぬぞうぅ………………………………う~」
「う~う~」
午前?時
「お、終わった……」
「う……よ、良くやった春……むにゃむにゃ」
「…………サンキュ、兄貴」
「…………むぅ、ぬくぬく……」
「おやすみ、兄貴。……私も、ちょっと寝るか」
今日の大遅刻
俺≧春
「し、宿題が無駄になった~」
「……後で俺が学校に連絡してやるよ」
もずく