表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/51

[31話] Screw you !

 Dow(ドム)! Dow(ドム)! Dow! Dow! Dow! Dow! Dow! Dow! Dow! Dow! Dow!

 周囲を威圧するかの如く、.50口径の()()()が鳴り響く。


 俺の愛銃《QBU10+1》は対物ライフルなどではなく、全自動射撃(フルオート)機構を有する規格外サイズの自動小銃こそが()()()()


 生身では絶対に制御不能な反動リコイルを《オーバーブースト》が強引に抑え込む。

 全身の筋肉と関節が盛大に軋むが、この瞬間、何に替えてでも為すべきは明白であり、苦痛などは些事(さじ)に過ぎなかった。


くたばれ(Screw you)!」 

 タングステン弾芯と焼夷剤を内包する焼夷徹甲(API)弾が、600発/分の発射速度(レート)で怪物に襲いかかる。


 ――千切れ飛び、血液を撒き散らす手脚。

 ――装甲を貫通して飛び散る火花。

 ――被弾箇所から一気に噴き出す焼夷剤の炎。


 轟音が鳴り止まないインカムに対し、モニターにはボンヤリとした暗視映像(サーマル)

 まるでコンバットシムじみた非現実感を伴い、破壊の限りが尽くされていく。


  Dow! Dow! Dow! Dow! Dow!

 射撃開始から僅か数秒、発砲音が唐突に止んだ。


 “装弾不良(ジャム)?”

 反射的にチャージングハンドルを前後させて排莢操作。すかさずトリガーを引くが愛銃は沈黙をもって応える。

 弾倉(マガジン)にも薬室(チェンバー)にも残弾無し、20発全弾を撃ち切ったらしい。


 再び塵埃が舞い戻る中、嗅覚を刺すのは硝煙と焦げたガンオイルの臭い。

 稼働限界を超過した《オーバーブースト》は強制終了。代わりに、酷使された人工筋肉を循環することで煮え(たぎ)った《化学血液(C-B)》の冷却処置――バックパック下部に位置する強制冷却器から悲鳴のようなファン音が鳴り響いている。


 “まだ油断は出来ない……”

 左手だけで取り出すのは、()()()装填済み弾倉(マガジン)

 銃口を向けた先はそのままに、リリースボタンを押し込むことで重量2kg近い(から)弾倉が愛銃から落下、何度か甲高い金属音を立てて()()()()消えていった。

 

 ――突如、悪視界に吹き荒れる、風切り音を伴ったビル風。 

 

 《多機能欺(デコイ)瞞体》の自爆によって崩落に巻き込まれたまま、フルオート射撃を浴びた怪物共(ヤツラ)の姿がようやく映し出される。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



「悪いな……相棒達(ブラザー)……また逝き損なったみたいだ……」


 どうにか小声で呟き終わると、身体がその場に倒れ込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ようやく通常呼吸にもどれました。(^^;
[良い点] かっっこよかったです!語彙力なく。
[良い点] 光景が目に浮かびます。 かっけえ・・・の一言に尽きます。 あれって、フルオート射撃できるんですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ