夜の体育館に呼び出された和人
以前に書いたやつを手直し、そして分かりやすく読みやすくしました。
7月31日、1学期最後の日…
夜になって誰も居なくなった体育館へと俺は幼馴染の恭二に呼ばれた。こんな所へ急に呼び出すとは一体何があったのだろうか。そう思いつつ体育館の扉を開くとそこには恭二が立っていた。
「急に呼び出したりて俺に何の用だ?」
真っ暗な体育館に俺の声が響いた。
「俺を呼び出して何の用だ恭二?」
しかし、返事はない。すると体育館のライトが少しずつ明るくなっていった。
「来たね、和人君」
「何が“来たね”だこら。ましてやこんな時間に呼び出すなんて……先生らにでも見つかれば怒られるぞ!それより、こんなとこに俺を呼んだんだから何か言いたいことがあるんだな?」
俺は言った。
すると恭二が“ニタァ”と笑ながらこう言った。
「いや、そんな大層な事じゃないんだけど1つお願いしてもいいかな?」
と……。俺は本能的に“キモい”と思った。だから、
「お願い?何だよ急に改まって。俺ら『友達』なんだから、何でも言ってくれよ」
と言った。
恭二はボソボソと言った。
「……そうだよね。僕達『トモダチ』だよね?」
なんだか様子がおかしい…気のせいだろうか?だが友達なのは事実。だから答えた。
「当たりか前だろ」
すると、恭二の顔が“パァ”っと明るくなった。そして声を弾ませて言っていた。
「うん。じゃあお願いするね。あのね僕は君に『死んで』欲しいの」
俺は自分の耳を疑った。急に恭二が“死んで欲しい”と言ったのだから。
「は…?何言ってんだよお前!?」
俺は叫んだ。すると恭二が“えっ?”ていう顔をして言った。
「聞こえなかった?君に『死んで』欲しいんだよ」
と……。
すると、恭二は懐から芳香臭のある液体の入った注射器 が出してきた。
「お、おい、何だよそれは!?」
俺は恭二に向かって怒気を露にして言い放った。
恭二が徐々に近付いてくる。
「僕ね、君の事を考えていると胸の当たりが苦しくなるんだよ……こんな苦しい思いはもうしたくないんだ。だから僕の為に死んでくれないかな?」
そういって近づいてきてギラりと光る注射器を俺の首元に刺した。
「や、やめ、ろ……なに ...を…した……」
「少し寝ててね……」
意識は朦朧としていたがアイツが不敵な笑みをうかべながら去っていく“コツンコツン”という冷たい足音だけは覚えている。
そこで俺の記憶は途切れた。
〜数時間後〜
「ん…?痛っ…何があったんだ…何か臭いな……」
この臭いは一体!?
「んっ!?…おぇぇぇぇぇぇ。っ…ふぅ、ふう、ふう…」
呼吸を整えようと深呼吸をした。しかし肺に入ってきたのは血や何かが腐った臭いだった。明らかにこれは死体だ。顔はボコボコになり人だった面影はあるものの、人とは言えないくらいにひどく歪んでいた。そして、その中には俺たちのよく知っている顔もあった。
「富山先生っ!!」
当然呼んでも返事はない……
「てめぇ、富山先生に何をしたぁ!!」
「…これは僕のショーを邪魔した奴らだよ」
「何を言ってるんだ!」
「ほら、あそこをご覧。カメラがあるだろう?あそこから世界に向かって、君の死にざまをみてもらうんだよ!!」
そういって死体を蹴飛ばしながら近づき、途中落ちていた鉄棒を拾った。
すると、
「キィィイ」
と体育館の扉の開いた音がした。そこには夜空のように黒い髪、真紅の瞳を持った、まるで夜をそのまま擬人化したかのような女がいた。名前は榛菜、俺の彼女だ。
「和人君?」
俺の名前を呼んだ直後に榛菜は口に手を当てた。
「う、ゲホッゲホッ」
人肉の腐った臭いだ。むせるのも無理はない。
「榛菜こっちに来ちゃダメだ!!早く逃げろ!」
俺は叫んだ。しかし榛菜はその場に“ガクっ”と崩れ落ちた。
「おや、おやおやぁ?こんな所に子猫ちゃんが迷い込んでしまったようだねぇ。悪い子にはお仕置きをしてあげないとねッ!」
「い、いや。やめて…来ないで……!」
やめてという榛菜の願いは届くこと無く恭二は手に持っていた鉄棒を榛名の頭に振り下ろした。
「榛菜!!」
「あはははははははは」
「やめろ!!そいつには手を出すんじゃねぇ!やるなら俺をやれ!」
「そんなのは関係ないよ和人君、2人だけの秘密を見られてしまったんだ。だからこいつは殺さなきゃね♪」
榛菜の額からは真っ赤な血が出てきていた。俺は生まれて初めて“死ぬ”という本当の意味を知った。
「邪魔者はいなくなった。さぁどこから“切ろう”かなぁ?足かな?手かな?指かな?それとも首?」
俺はは血の気が一気に引いた。自分のどこを『切ろう』と笑顔で恭二が言っているのだから。
「殺すなら殺せっ!!だから榛名だけは助けろ!!頼む……あいつはまだ、しなせたくない」
「なぁに甘いこといってるかなぁ和人君?君は殺さないよ。ただずぅーと痛みを与え続けてその苦しむ顔を見るのが楽しいんだよ!そして視界がぼやけてきた時には、君に水を思いっきりかけて目を覚まし、目の前で君の女を八つ裂きにしてやるよぉ!!」
そしてケラケラと恭二は笑っていた。その笑い声が体育館に響き渡っていた。
すると次の瞬間……
ザクっ!ザクっザク!!
「ぐふっ……」
恭二が血を吐いて倒れ込んだ。すると、
「あ、ぁぁぁぁぁ。何だ…これは…血か…誰だい僕を刺したのは……」
恭二は言った。後ろを振り返るとそこにはさっきまで倒れていた筈の榛菜がいた。
「何で君が立っているんだ?榛菜ぁ」
「あの位で私が倒れると思った?実は…私には妖精の力が宿っているのだ!!」
「…ハハハ、これは驚いた。そんな中二病的な奴にやられる…なんてな、…ハハハこれが痛みか…こんな感覚は初めてだ、こんなに痛みが気持ちの良いものだなんて…」
恭二はその場で気を失った。
「さ、行こっか和人君。私達の家に。あ、その前に病院にいってその傷、治して貰おうね!」
「あ、ああ。ありがとな榛菜。ってお前も額から血がっ…!」
そう言って俺は気を失った。
「大丈夫だよ。それにありがとうだなんて…だって私は和人君のことが好きだもん」
“ 一緒に花火、見ようね……”
「はっ!!」
俺は目が覚めた。頭が…痛い。あれは夢なのか?でも、到底夢とは思えない程鮮明に覚えている。あれは榛名だ……でも俺はあんな姿の榛名を知らないし、花火を見る約束だってしていない。
「おお、やっと目が覚めたか少年」
「俺は一体……」
すると女医は俺に言った。
「恐らくその恭二って子にやられた薬の副作用的なヤツよ。二日も寝てりゃそんな夢みるよ」
「は、はぁ、って俺は二日も寝てたんすか?」
俺は少し困惑した。すると女医は言った。
「ええ、そうよ。彼女さんも帰らずに“和人君といるっ!”といって帰らなかったんだから。まぁ、とりあえず近いうちに検査するんで今日は入院してって下さい」
「分かりました。でも、あの後には何があったんですか?」
俺は今、病院にいて二日も寝ていた。だとしたらいつの間にか“気を失っていた”ということだ。
「私も新聞で読んだ話でしかないけど、夜の巡回に来た警備員の人が体育館から血生臭い匂いがしたからその場所に行ったらたくさんの死体と吊るされた男、まぁそれは君だね。そして背中を刺されて気を失ってる男、そして額から血を流した女がいた。って話しをしたと書いてあったな」
俺が寝ているあいだにそんな事があったのか。未だに全身が痛い。榛名は額が少し切れていただけだから治療をして帰ったそうだが俺は薬の副作用や縄で縛られた時の跡、その他諸々の検査があるからもう少し入院するようだ。今日はもう遅い。
“これからの事は明日考えよう”
そう思っているうちに俺は眠りについた。
見つけたよ和人くぅん!今から君のところにいくよぉ!!さぁ君の全てを僕のものにするんだ。皮を剥ぎ、内蔵を取り出し、首を切り額に入れて飾ってあげる!
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!っ……はぁ、はぁ、はぁ……ゆ、夢か。本当に夢なんだよな、首はくっついてるし、血も出てない。俺は生きている……」
不気味な夢だった。夢の中でも恭二は俺を殺そうとした。考えただけで胃の中から熱い何かがこみ上げてきた。
“オエエっ”
俺はすかさずナースコールをして控え室に居るのであろう担当医を呼んだ。
「和人さんどうなされ……大丈夫ですか!?どこか苦しい所はありませんか!?早く他の先生を!!」
ドアを開けてお決まりのセリフを言おうとしたのだろうが俺を見るや否や直ぐに駆け寄って別の医師も呼んでいた。そこまでみてたらまた俺は気を失った。
いかがでしたか?ここからさらに続きがあります。それは年内には書き上げて修正、その他諸々したのちに公開するので年明けになると思いますがあげたら是非読んでみてください。




