番外編~伝えたかったこと~
事件解決後のお話
彼はずっと一人だったらしい。
クラスにいても気づかない存在。
必死に自分の存在を隠していたようだ。
なんで、自分の存在を隠す必要があるのだろうな……私には分からないことだった。
でも、気づいてほしいんだ。
私みたいに彼を理解したいと思っている人が必ずいるということを。支えたいと思っている人が必ずいるということを。
彼は鈍くて、鈍感で……だから!
私は彼に告げます。一年半の想いを
「大事な話があるの。きて」
私は、周りに人がいないタイミングで彼の袖を引いた。
「ん?」
彼は抵抗することなく私に袖を引かれ着いてきた。
「私ずっと言いたかったんだけど……」
顔が赤くなるのを感じる。私は、彼の顔をしっかり見ていった。
「貴方のことが好きなんだよね?付き合ってくれなないかな?」
緊張して語尾が疑問系になってしまったが、なんとか言えた。
「ありがとう。嬉しい。」
彼は赤くなって後ろ髪をかくようなしぐさをした。しかし、それも一瞬。真顔に戻って彼は口を開いた。
「でも俺、隠してることがある。俺、人間じゃないんだ。化け……狐………なんだ。」
彼の表情は今までにないくらい真剣だった。
次でハッピーエンドなはずです。