表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/45

44話 黒炎纏し鎧

「ふぅ……ふぅ……行くわよ!」


 私は黒鎌に変わった黒賢杖を握り、レーリックへと向かう。レーリックは慌てる事なく大剣を構えていた。


 私はレーリックの方へと向かいながらも、体の奥底から登ってくる高揚感に飲み込まれないように、今出来る事を考える。


 私が内の力に意識を向けると、ざわっとドレスがはためく。そういえば、あの時もこの黒い魔力を攻撃や防御に使っていたわね。魔力操作ならある程度教わっているから、今でも使えるはず。


 私が周りに流れる魔力に意識して動かすと、思った通りに動いてくれる。その魔力を鞭のようにしならせて、レーリックへと向かわせる。


「チッ」


 レーリックは舌打ちをしながら向かってくる鞭を大剣で防ぐ。しかし、魔力の鞭を叩き切る事は出来ずに、弾くだけになっているので、更に数を増やして追い討ちをかける。


「はぁっ!」


 私が放った魔力の鞭を防ぐレーリックへと私は大鎌を右上から斜めに振り下ろす。鞭を防ぐレーリックは慌てる事なく大鎌も防ぐけど、左右下から魔力の鞭が襲いかかる。


 レーリックはバックステップで下がりながら鞭を弾いて行くけど、私は鞭の数を増やして、下がるレーリックの後を追う。


「くそっ! 鬱陶しいな!」


 壁際まで追い詰めた私は上下左右から魔力の鞭を、真正面から大鎌を振り下ろす。レーリックは悪態をつきながらも、私の方へと突っ込んできた。上左右の鞭はその突貫により避けられてしまい、下から振り上げられた鞭は大剣で防がれた。


 そのまま下から大剣を振り上げてくるのに合わせて、大鎌を振り下ろす。レーリックの大剣と私の大鎌がぶつかり合った瞬間、レーリックの大剣は地面に叩きつけられ、私はそのまま大鎌で突きを放った。


 大鎌の先端がレーリックのお腹へと入り、吹き飛ぶレーリック。私はその後を追って、大鎌の石突で振り払う。レーリックは腕を交差させて防ぐけど、更に吹き飛んでいった。


 壁に激突したレーリックに向けて、大鎌の刃に氷魔法を付与し、氷の斬撃を放つ。私の黒い魔力が乗ったせいか、何故か黒い氷となったけど、その氷の刃が壁に激突した衝撃で土煙が立ち込める向こう側へととんでいった。


 これで勝てたとは思わないけど、少しはダメージを受けていると思う。このまま押し込めれば……そう思った瞬間、煙の向こう側から魔力の爆発が起きた。


 それと同時に何かに惹きつけられるような感覚に陥る。この高鳴る胸の鼓動に戸惑いながら煙の向こう側を見ていると、彼は現れた。


 漆黒の鎧を纏ったレーリックが煙りの向こうから現れたのだ。先程まで見えていた表情もフルフェイスの鎧に隠されて見えず、漆黒の大剣には黒い炎が纏っていた。


「行くぞ」


 雰囲気も全く別人のように、冷たい鋭さがあった。そして、黒い炎を纏った大剣を振り上げって迫ってくる!


 私は直様影の鞭を四方からレーリックに向かわせるけど、黒炎を纏った大剣ではジュッと音がした瞬間、焼き切られてしまった。うそっ、さっきまでは切れなかったのに!


 ……驚いていても仕方ないわ。これならどうよ! 再びレーリックに向かわせる魔力の鞭に氷魔法を纏わせる。


 先ほどよりかは切られなくなったけど、それでも数回切りつけられると、氷の鞭が切り裂かれてしまう。そして、目の前には大剣を振りかざしたレーリックの姿が。


 私も同じように大鎌に氷を纏わせて構える。振り下ろされる大剣に合わせて、下から大鎌を振り上げる。ガキィンッと手に衝撃が走るけど、レーリックの大剣を跳ね返す事が出来た。


 私はそのまま回転し石突きで横払いをレーリックの脇腹に目掛けて放つ。レーリックは再び大剣を振り下ろして来て、横払いを防ぐ。


 そして、そのまま私の首目掛けて大剣が振られる。私は体を後ろに倒して大剣を避けるけど、大剣が纏っている黒炎の熱に髪の毛がチリチリと焼けるのを感じる。


 私はそのまま後ろに倒れて、左手を地面につけてバク転で、レーリックから距離を取る。


 私は大鎌を、レーリックは大剣を構えて睨み合う私たち。さて、どう攻めようかしら。考えていると


「そこまでにしておこうかい。これ以上は本気になってしまうだろうしねぇ。レーリック」


「……ちっ、わかったよ」


 シルフィードさんに止められてしまった。レーリックはその言葉を素直……なのかはわからないけど、聞き入れて纏っていた鎧が消えていく。


 私も自分に纏わせていた魔力を心の奥底に戻していく。すると、一気に疲労感が押し寄せて来て、その場に座り込んでしまった。


「思ったより疲れているだろ? それも、自覚出来るようにならないとねぇ。それから、レーリックが姿を変えてから変わった感覚は無かったかい?」


 思った以上に私疲れていたんだ。確かにこの疲労感は普段に比べて凄い。やっぱり、この能力使うと自分の限界以上に使ってしまうみたい。


 それから、変わった感覚か。そういえば


「そういえば、なんだかあの鎧を纏ったレーリックを見て、惹きつけられるような感覚がありました。あれはなんだったんでしょうか?」


 私の話を聞いて、顎に手をやり考えるシルフィードさん。綺麗な人がやると様になるなぁ。そんな事を思いながら見ていると


「それはね、レーリックの中に眠る魔王……魔神の力の一部に共鳴したんだろうねぇ」


 と、言って来た。その言葉を聞いて、私はレーリックを見る事しか出来なかったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ