② 偉人のソックリさん
「やあ、君がシキさんだね」
なんか小学生くらいの和服を着た少年と二人の青年がやってきた。片方が白衣眼鏡、もう片方は白衣眼鏡の影に隠れている。対人恐怖症みたいな?
「お名前は?」
「僕は権堂イルオ、神泉組のリーダーだよ」
「どえええ!!?」
ならまさか他の二人は――――
「私は菱形トシオ、貴女の父上のお手伝いをしております」
眼鏡をくいっとやった。もうひとりがオドオドしながら顔を出す。
「……大北ソウジュウロウです」
挙動不振である。ある意味儚げな青年だ。
「おーい」
なんかこちらにめっちゃ鈍足な誰かがやって来る。
「貴方は?」
「葛ゴロウだ」
なに神泉組の前に平然と現れてるんですか?
「逃げないと捕まるんじゃ……」
「やっべ……」
「べつに捕まえませんよ」
「なんちゃってだし」
いやいや、やる気だしてよソックリさん。
私が唖然としていると―――
「殿、あれが姫です」
何やら会話が聞こえてきた。
「ほう……」
なんか和服を着たイケメン俺様系。雰囲気がバクマツからセンゴクに変わった。
「お前、妻となれ」
「無理です」
私には天草様という心に決めたmyプリンスがいるんで。
「うわあああん」
なんかいきなり泣き出した。
「泣かないでくださいノブナシ様」
「あきらめんからな!」
「えー」
どうせ女子が私しかいないからでしょ。
「もし、そこのお方」
あ、女子だ。
「はい、貴女誰ですか?」
「和子<わこ>姫です」
うわー姫カットでザお姫様だ。超かわいい。
「わたくしとお友だちになってください」
姫様が抱きついてきた。
「え、いきなり? 私そういう趣味は……」
「彼女から離れなさい」
先ほどノブナシといた細身の優男が、姫をにらむ。
「……邪魔してんじゃねーよ空地ミツギ……!」
お姫様から信じられないくらいドスのきいた声がしたような気がしたけど何もきかなかった。
「シキ、騙されないでください。そいつは男です」
「どええええ!!?」
男……だと……?
「バレたら仕方ないね。友達じゃなくて恋人から始めよう」
「あ、すいません。お断りします」
女装でこられても困るし。




