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異界の刀剣使い  作者: 雪月 奏
第一章 
4/18

第三話 アルティナの憂鬱

他者視点

 ◇


 ――ディセイラム・ローゼリンデ――


 俺の名前はディセイラム・ローゼリンデという。

 《ローゼリンデ王国》の国王をしており、美しい妻と結婚して今では息子と娘が生まれて幸せな生活を送っている。

 国王なんて、もの凄く大変な仕事だが妻や息子たちが日々の疲れを癒してくれるから問題はない。

 そんな毎日を送っていた。



 娘のシャルロットは、生まれてから子供らしくよく泣き、夜鳴きをしたりもしていた普通の子供なのだが、息子は違うのだ。


 息子のイブリスロードは、生まれてから数日は泣いていたりしたのだが、数日経ってからは泣くこともなく夜鳴きもなく手間のかからない子だったのだ。


 さらに、1歳までに歩き言葉を喋ることができたのだ。

 最初それを見た時は喜びや嬉しさから考えていなかったが、普通に考えて一般的な子供の成長スピードをはるかに上回っているだろう。

 シャルが1歳になっても歩かなかったりしたのでそれは正しいだろう。


 そう、この時点で我が息子イブリスは天才だった。



 3歳になってから、妻のアルティナが俺の書斎にやってきた。


「ねえあなた、イブリスがこの世界のことについて書いてある本が読みたいんですって」


 と言った。

 最初は耳を疑った。

 3歳の子供が大人も読むような本を読むことが出来るのか、と。


「イブリスは、字を読むことが出来るのか?」

「ええ、イブリスは私が一度教えたら覚えてしまったわ」


 一度聞いただけで覚えたと言うのかッ!?

 正に、天才。

 普通の子供でも、覚えるのには何年もかかるというのに!


「だから、絵本を見せてあげたんだけど面白くないみたいなの」

「ふむ」


 それはそうだろう。

 そこまでの知性、知能があったら絵だけの本などつまらないだろう。

 ならば―――


「わかった。イブリスが理解できるかどうか教えてくれ」

「わかったわ」



 結果、イブリスはあの歴史書を読んで理解できたらしい。

 俄かには信じがたいが、アルティナが言うのだ真実だろう。


 あの子はすでに、天才の枠を超えているのかもしれないな―――。


 ◇


 ――ある一人のメイド――


 私は王城にお勤めしているメイドです。

 王妃であられるアルティナ様の傍付きという名誉ある役をやらせて頂いてます。


 そのアルティナ様が第一王子となる子をお生みになりました。

 名は《イブリスロード》。

 母であるアルティナ様と同じ御髪をされていました。

 目を開けたので見てみると、父である国王陛下ディセイラム様と同じ金色だったのです。そして左目は《魔眼》だったのです。


 《魔眼》とは、保持者に様々な効果をもたらすものとされています。《魔眼》を持つ者は、その貴重な能力から大物になるとされているのです。

 そんな子が産まれたら親として喜ぶでしょう。


 そのイブリスロード様が1歳になる一月前に妹となる《シャルロット》様が生まれました。

 シャルロット様もイブリスロード様と同じで銀髪で、瞳はアルティナ様と同じ碧眼でした。


 お二方とも、とても可愛らしい見た目をされておられます。



 イブリスロード様とシャルロット様はすくすく育っています。特にイブリスロード様はすくすくすくすくと育っています。

 産まれてから数日は泣いていたのですが、それから後は泣かなくなったのです。あまりにも泣かないもので、ディセイラム様やアルティナ様は勿論のことメイド一同も不安だったのですが、他の子供達とは明らかに早すぎるくらいに立って、早すぎるくらいに言葉を話し、言動はその異常なくらいの賢さを見せている。

 アルティナ様が一度文字を教えたらイブリスロード様は出来るようになったそうだ。

 シャルロット様も他の子供に比べると覚えるのが早いそうだ。

 だからか、この兄妹のことを王城内では「天才だ、天才だ」なんて言っているが、イブリスロード様を直に見たことがある人は判ると思う。


 イブリスロード様が、天才という枠すら超えている事を―――。


 3歳になった今では、大人が読むような本を読んでいるそうだ。


 あまりにも賢い。

 異常ともいえる成長速度。

 そんなお方がこの国の王子なのだ。

 そのお方が、王になられたらこの国はさらに栄えることだろう―――。


 ◇


 ――アルティナ・ローゼリンデ――


 私は今愛する息子と娘に文字の読み書きを教えている。


「母上、わかりました」


 息子のイブリスがそう言う。

 この子は、とても賢い。

 王城内ではそのことを恐れる人達がいるみたいだけど私は恐れることなく褒める。

 だって、自分の息子がとっても優秀なのよ?うれしいことじゃないかしら?


「凄いわイブリス。本当にわかっているのね」


 今イブリスとシャルに文字を教えた。

 イブリスは生まれてから文字を教えてもらったことはないはず。ということは、今の一度だけの説明で覚えたと言うこと。

 正に天才。


 シャルも覚えるが普通の子供に比べると早いのだけど、イブリスと比べると遅いわ。

 普通シャルのことを、天才という。

 だったらノアは?天才を超えるのだから、なにというのかしら?


「シャルもがんばってるね」

「えへへぇ」


 私が考え事をしていると、イブリスがシャルの頭を撫でながら褒めていた。

 まだ、イブリスだって褒められるような歳なのにシャルを褒めている。

 すると


「おにいちゃん、だーいすきっ!」


 とシャルが言ってイブリスに飛びついていた。

 イブリスは座っていたから倒れることがなかったけど、立っていたら倒れていたんじゃないかしら?危ないわね。

 シャルは、イブリスが大好きなようでいつも仲良くしている。

 イブリスもシャルを可愛がっていて、本当仲の良い兄妹だわ。

 なんだか、シャルがイブリスにキスしてるように見えるけど目の錯覚よね?

 まるで恋人を越えて夫婦なんじゃないかって思うくらいシャルがイブリスに甘えてるけど、今だけよね?

 成長したら収まるわよ・・・・ね?



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