第一話 転生
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・・・・・・ん?
何故だろうか意識が消えていない。
あの時、俺はトラックに轢かれて死んだはず。なのに意識があるってことはここが、死後の世界か?
しかし、身体が全く自由に動かせない。身体が存在することはわかるけど動かせない。まるで、麻痺しているような・・・いや、虚弱したのか?
死後の世界は、意識だけが存在していて何もできないのか?それはつまらないなと考えていると
「――くん、ご飯のお時間ですよ」
・・・?
声が聞こえた。
目を開けてみると、目の前には誰だかわからない銀髪の女性が現れ彼女の腕がこちらに向かって伸びてきたと思ったら、突然身体に浮遊感が走る。
(な、なんだ!?)
女性の腕にまるで赤ちゃんみたいに抱っこされた。
(赤ちゃんみたいにって、まさかこれはクラスメートのヲタク達が言っていた『転生』か!?)
自分の身に起きた摩訶不思議現象に驚いていると女性が突然胸元の衣服を開いた!
(なっ!?)
痴女のような行動にでた女性をみてさらに混乱した。
考えてもみろ、死んだはずが生きていて、赤ちゃんになっていて、目の前で女性が胸をさらしてきたのだ。前世でも記憶がある中でそんな経験ないぞ!
「あら?ご飯ですよ?」
(まさか、母乳かっ!?)
母乳を飲ませるために、この人は胸をさらしたのだとわかった。
(こ、こんな経験をするなんて・・・)
そう思っていても、ここで飲まないわけにもいかない。空腹感が俺を満たしているのだ。
(し、しかたがないんだ・・・)
言い訳しつつ、初めて触る胸はとてもやわらかかった。
こうして胸に触れているとまるで暖かな陽だまりの中にいるような心地よさと安心感が身体を包んでくれる。
◇
それから数日が経った。
どうやら俺は《イブリス》という名前らしい。
俺を名前で呼んでくれるのは母親らしき人だけで、それ以外のこの部屋に入ってくる人たちは《殿下》と呼ぶ。《殿下》が意味することはまだわからない。
家族を残したまま死んでしまったけど、悲しんでいてもどうしようもできないと割り切った。そうでもしないと、未練が心を埋め尽くしてしまいそうだから・・・。
どうやらこの転生した世界は元の世界とは違うらしい。
何故なら、魔法があるから。
俺を楽しませるためか、母親が一本伸ばした指先の上に火をだした。
俺は驚いて「あぅっ!?」などと声を洩らしてしまった。
その様子をみて喜んでくれたと勘違いしたのか火の玉をだしたりもしてくれた。
そんな生活を続けて約一年ほどが経った。
その間にこの世界のことを少しだけ、知ることができた。
この世界は前世と同じで四季がある。
これが地域特有なのかは調べてみないとわからないが・・・。
月日についても似たような物らしい。
1月から12月まであって日は30日まで。
つまり一年は、360日。
俺の誕生日は4月4日。
現在1歳。
ハイハイできるところを父母に見せるととても驚き喜んでいた。
父は「おおおぉぉ!!イブリスがハイハイをしておるぞぉ!!これはめでたいっ、めでたいぞぉお!!」と大きな声で喜んで、母は「うるさいですよ、あなた。ですが、素晴らしいですよイブリス」と俺に向かって微笑んでいた。
1歳になった日に少しふらふらしながら、立ち上がり歩いてみせるとまた喜んでいた。
早く歩けるようになりたいから頑張ったのだ。
言葉も喋れるようになったところをみせると、すごい驚いていた。
両親そろって、「流石は《魔眼》を宿す子だな(ね)」といっていたが
(《まがん》ってなんだ?)
そう思ったが、流石に聞くことはできなかった。
俺が1歳になる少し前のことだ。
3月3日に妹が生まれた。
名は《シャルロット》という。
母が妊娠していたことは見てわかっていたけど、妹が生まれたのだ。
(前世にいるっていうのに、この因果はなんだろうな・・・)
そう思った。
前世では助けることができたけど、俺は死んでしまったのだ。
悲しんでくれているのだろう・・・・。
家族を失う気持ちを感じさせてしまった。
だから、無意味な償いかもしれないが前世の妹の分まで大切にしようと思った―――。
pv100超えてた(σ≧∀≦)σ
ちょっと嬉しいデス(♪-∀-)
pv500目標に頑張るΣ((( つ•̀ω•́)つ