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真・エクスプロォーッジョンッ!  作者: 葵/めぐみんに影響されちゃった男
2/2

「さよなら、世界」

僕は、トボトボとギルド内を歩いていた。お金なんて一銭も持ち合わせてはいないし、攻撃手段も限られている。

ギルドに貼られている『ジャイアントフロッグの討伐:一体3000ラルクス』が、僕には無情なものに思えた。レベル1でどうしろと?

「おう嬢ちゃん、カオスルーダーになったって聞いたぜ!」

「地獄耳ですか?まあ実際なりましたけど」

最初に声をかけてきた男の人にまた声をかけられた。ちょっとだけ不機嫌モードの僕はむすっとして答える。

「あのジョブなら、スキルポイントがたんまりあるはずだ。どれ、俺が割り振り方教えてやるからちょっと時間くれや」

僕の目が、きらりんと光った。


「おぅ...。棘翼に蒼剣、狙撃に魔力収斂、全魔術習得に精神魔術習得、...砲弾斉射?それに一枠空白か。ずいぶん伸び代があるな」

「もうひと枠は、威力向上ですかね。エクスプロージョンをぶちこんでやりたいので!」

「え、エクスプロージョン...?爆裂魔術なんて魔力消費が多くて普通の人間に扱えるわけが

「ところがギッチョン!この私の魔力量は人智を超えている莫大な量なのですよ!」

「...そうか。なら威力向上を教えてやるから少し待ってろ」

この人、〈導師(プロフェッサー)〉なのかな?


「...よし、威力向上を習得できるようにしておいたぞ。スキルポイントは...600ポイントォ!?おいおい、冗談だろ!?」

シモンというらしい男の大声...というか悲鳴を耳にして、周りの人の目がギロリと僕の方へ向いた。

「...ああ、スキルポイントは枠をタップすればおーけーだ。習得にポイントがかかるやつは一つだけ選んで枠を押さなきゃ習得できないから気をつけるんだぞ。じゃあな」

空気に押しつぶされたか、シモンさんが逃げて...その瞬間、僕は全力で走り出した。床がミキっと嫌な音を立てる。

『うぉっ、はえぇ!?』

『急いで追いかけろー!』

彼らの言葉は聞かず、全部のスキルを習得。しめて430ポイントが無くなった。けど、これで逃げられる!

『と、飛んだぁぁー!?』

久しぶりに空を飛ぶ快感。

「見よ愚民ども!我こそが空の覇者なるぞ〜!あーはっはっはっは!」

歓喜に満ちた声は、低空飛行している時にジャイアントフロッグに捕食されるまで続いた。


「...あー、酷い目にあった...。」

棘翼を一枚にして刃翼にして腹を切り裂いてなかったら、あのヌメヌメでじとっとした謎に温い所で消化されるのを待つ羽目になっていた...。それだけは絶対にごめん被りたい。

ヌメヌメは歩いているうちに取れたけど、ヌルヌルは...まだこびりついている。あの温くて若干生臭いヌルヌルは結構きつい。

「覚悟ぉー!...うわぁっ!?」

襲いかかってきたやつを、ショルダータックルで黙らせる。

「これ、持ってきました」

ジャイアントフロッグと、飛んでいる時に襲いかかってきたワイバーン3匹を売る。

17万2000ラルクスになった。


北の方に飛んでみることにした。

なんだか禍々しい城があったから、空に肉体を固定して魔術威力向上にステータス全振り。狙撃は僕のリアルラック高過ぎだから必中の言い換えなだけ。

「砕きて疾れ、燃え爆ぜ朽ちよ、怒りの炎は全てを焼き尽くす!我が奥義こそ我が怒り!今この場へと顕現し、全てを等しく滅せよ!『〈(アクセラレート)〉ォ!エクスプロージョン』ッ!」

テンション高めに言って、僕の内蔵魔力を9割ぐらい使う。脳内で魔力が暴れ狂い、ショートしそうになるのを抑えて城に照準。大小20個もの魔方陣が城を中央に包み...直後。

ドガァァン!と、轟音が響いた。

城がガラガラと崩れ、そして2度目の爆発。山間に墜落した僕は、なんとか生き延びることに成功した...。


『リザーブ・マテリアリカルワールド』

一時的に現実世界に戻った僕は、死んでいる...というか、跡形もなくなっている僕をなんとかして集め、守っていた女の子も集めて復活させた。見られないように移動して、いつもの世界に戻る。

それから40年後ぐらい、僕は生涯最後の魔術を使うために、自分が創り出した『レン』を連れて広い所に移動する。

「これから見せるのは、私の最後の魔法です。レン、これ使うと死んじゃうから使わないように!」

「わかっています、師匠。我は最強の魔術師、師匠の魔術などいくらでも進化させて模倣しましょう!」

...なぁんでこんなに厨二病にそまっちゃったのか。あ、僕のせいか。

「穿て砕け降り注げ、闇より深く黒より黒き雷よ、砕けて弾き燃えはぜよ、圧倒的な力を持って、世界を一つにせしめん!唱えて結べ、しっかと契れ、しっかと結べ、空と地、火と水、陰と陽!究極無欠にして破壊を続け、世界を結びて契りし力、怒りの刃を突き立て砕け、万物をことごとく焼き尽くして滅するのみ!どこまでも加速していく螺旋の中、全ては等しく塵となれ!『アルティメット・アクセラレートエクスプロージョン』!」

あ、と思った。前と同じ。でもちょっと違うかな。生命力がごっそり持ってかれる感じ。あぁ、死んじゃうかも...。でも、楽しかった。たった一回の極大魔術。



さよなら、世界。

たった第二部の物語

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