表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/18

第6章

 ぼくは、「食わなきゃ、やせる」ということはわかっていた。


 さらに、それに加えて、運動をすれば、相乗効果となり、減量のスピード、効率が高まるということも。


 しかしながら・・・


 まだ寮生活をしいられて、自由に食事をコントロールできる時期・環境ではなかったぼくは、美絵子ちゃんへの「再戦」を誓いながらも、まだ食事面での、おおがかりな「改善」というものに、着手してはいなかったのだ。


 ・・・それには、ちゃんとした理由わけがある。


 ぼくは、この「減量」「ダイエット」をきれいに成功させるために、その経過を、まわりの人間・・・特に、農業大学校の連中には、あくまでも「秘密裡ひみつり」にしておく必要があった。


 なにせ、ふだんからぼくの見た目と、汗をかく様子をからかっていた妖怪たちである。


 ぼくが、減量開始したとして、急に「おかわり」を減らしたり、運動のためにロードワークにでも出ようものなら、たちまち「邪魔」しにかかってくるに決まっている。

 

 これまでぼくに、容赦なくあびせかけてきた「嘲笑ちょうしょう」「哄笑こうしょう」は、ますます、あからさまになり・・・


 せっかくの熱意・やる気をそがれてしまうだろう。


 大切な、「美絵子ちゃんとのリターンマッチ」のイベントも、きっと台無しになってしまうにちがいない。


 連中の言動・表情・目の配り・・・これらを、この1年間、じっくりと観察・注視してきたぼくは・・・


 そういったことも、想定の範囲内として、きちんと予測・シミュレートできていたので、


 きたるべき日に備え、それまでは、従来どおり、ガツガツと食べて、このひそかな「減量計画」を、誰にも悟られなうように・・・何も考えていないようで、実は細かく気を配っていたのである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ