第16章:美絵子ちゃん以外の女性と、ぼくとの関係について
賢明なる皆様もお気づきのように・・・
ぼくは、1989年8月13日以降、美絵子ちゃんには会っていない。
まったく偶然に美絵子ちゃんの近影を見つけ、「彼女だ!」と確信できたにすぎない。
・・・電話で会話したのみである。
美絵子ちゃんの声は、もう昔の彼女の声ではなかった。
大人の女性の、低い声に変わっていた。
でも、とてもおだやかな口調で、ぼくを電話口で迎えてくれたし、結局、ですます調の「ビジネス会話」で終わってしまったものの、「大人の対応」をしてくださり、ぼくを邪けんに扱うようなことはしなかった。
ぼくは、美絵子ちゃんに、最後まで「口頭」では、あの「魔物事件」の謝罪はできなかったものの、「文章」で正式に伝えることができたのだ。
・・・それが、第13章の、あのぼくの長い文言である。
ぼくは、これ以上、美絵子ちゃんの「聖域」に踏み込むことはできないし、するつもりもない。
ましてや、彼女の私生活に、土足で入るようなことは・・・。
それでもぼくは満足なんだ。
美絵子ちゃんではない、他のどんな女性だろうと、ぼくは、今後も死ぬまで、けっして「受けつけない」であろう。
なぜなら、どんな魅力的な女性であれ、いっしょに時間を共有するのさえ、苦痛に感じてしまうからだ。
唯一の例外が、『たからものⅡ』のヒロイン、中岡葉子こと、洋子ちゃんであった。
ふたりとも、ぼくの中では、もう「神話」である。
・・・伝説の女性ふたり。
そして美絵子ちゃんは、その優しくて女神のようだった洋子ちゃんさえ、はるかに凌駕してしまうような、ぼくにとっては・・・
「神の化身」に相違ないのである。
m(_ _)m




