序章
・・・ぼくは、いま、燃えるような恋をしている。
もうかれこれ、43年間もだ。
ぼくは、この2023年10月で53歳になるが・・・
いいオヤジになってしまった、きょう、このときも、たったひとりの少女を想い、涙する毎日である。
彼女は・・・
名前を「美絵子」という。
昔からの読者の皆様には、あらためて説明するまでもないと思うのであるが、新しい読み手の皆様のために、少しだけご説明させていただく。
ぼくは、小学校4年・・・つまり、1980年4月に、その女の子に初めて出会い・・・そして、「ひとめぼれ」した。
・・・まるで、「天使のような笑顔」だった。
おそらくそれは、いまも変わるまい。
彼女はいま、社会をより良くしようと、懸命に努力され・・・
いそがしい毎日を送っておられる。
詳しい、彼女の素性は、読者の皆様には明かせないが・・・
ぼくは、2023年6月に、彼女と、1989年8月13日以来、実に34年ぶりに接触し、電話にて会話した。
同時にそれは・・・
1982年3月に、最後に美絵子ちゃんと話して以来、実に「41年ぶりの会話」ともなった。
大人の声になってはいたが、まぎれもなく彼女だった。
・・・うれしかった。
あの『魔物事件』に関する、直接の謝罪を、そのときも述べることはできなかったが、お互いの安否を確認し、なんとか、がんばって生きていることがわかったからだ。
・・・それだけではない。
ぼくの、いま置かれた現状、いまだぼくが「独身」である事実、ぼくの趣味・職業・過去の女性遍歴・ネットでの活動・・・
そういった、もろもろの細かい情報まで、間接的に、ではあっても、彼女に伝えることができたのである。
この手記は・・・
そんな愛しい美絵子ちゃんにささげる、ぼくの「備忘録」といった意味合いが強いが・・・
愛する皆様への、日頃からの感謝の気持ちを込めて、ふたたび、「焼き直し・修正版」として、こうして筆をしたためている。
またまた、くどい描写になってしまうとは思うのでありますが、ぜひ、純粋に、「読み物」として楽しんで頂ければ、物書きのはしくれとして、こんなうれしいことはない。
令和5年8月16日 午前3時20分 サファイアの涙こと、栗原茂雄