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そして僕らは生きていく
──痛い、
──苦しい、
──怖い、
何も見えない、聞こえない、そのくせ苦痛は自分を逃してくれない──口の中に鉄の味が染み渡り、同じものが身体のあちこちを染めている
確実に分かるのは──直に死ぬということだ。
何度も何度も訪れたこの結末、それなのに慣れることはない結末。
何故こうなってしまったのだろう、山程積み上がる原因をどれだけ追究してもまだ足りない。
思考と後悔の渦に飲み込まれながらも身体は確実に死へと近づいていく。
意識がゆっくりと遠のいていく。
あれだけの苦痛も薄らいでいく。
直に元の世界に戻っていだろう。
再臨する。
再生する。
再誕する。
そしてまたここに戻ってくるのだろう。
この地獄の時間に。
この絶望の瞬間に。
この喪失の刹那に。
それでもやることは変わらない。守りたいものを、守るべきものを守る為。
どれだけ繰り返そうとも、幾百幾千を越えようとも、万を億を──
たとえそうしても、そうしなくても──
世界は変わらず存在し続けるのだから。