鏡のミラー
初投稿。
ふと思いついたキャラと軽い設定で行きます
いつからだったのかは分からない、けど私は、気づいたらここにいた。
「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰かしら?」
魔女から、そう聞かれた。だから私はこう言った。
「世界で一番美しいのは、魔女様です」
だって私、魔女以外の人、私は見ていないから。
ある時、とても綺麗でで可愛い女の子が私の世界に映った。初めて見た、その女の子に重なるように、とても綺麗な女の人が見えた。百合のように白い肌、夜の空ような黒い髪。
後から、その女の子は【白百合姫】と呼ばれていることを知った。だから私は、魔女にいつものように聞かれたとき、こう答えた。
「世界で一番美しいのは、白百合姫です」
その言葉を聞いた魔女は、度々私に「まだ白百合姫は生きているのか」という事を聞かれた。
私の世界には、映った人と繋がりができ、私に紐のような物が繋がれる、生き物が死んだとき、紐が砂のように消える。白雪姫の紐はまだ消えていない。だから――
「まだ生きております」
そう何度か繰り返した後、魔女が私のところに来なくなった。
気づくと、魔女の紐が消えていた。誰も来ない。
白百合姫ノ紐ガ消エタ。モウズット、ダレモコナイ―――――――――
ゴトゴト、ガタン
「けほっ、、、埃っぽ」
―――――――――?ダレカ来タ。誰ダロウ。
「・・・!この鏡、すっごい綺麗。誰の鏡だろう?」
とても可愛い女の子。昔見タ女ノ子...アレ?なんテ名前ダッけ。まァ、いいカ。その女ノ子と同じ位、可愛いくて、でもカッコいいとも思えた。
「う〜ん。この国って、大昔に滅びてるらしいしアタシのものにしてもいい…よね?いいはずだわ」
それが、私とご主人様との出会いだった。
ご主人様は、盗賊といわれる仕事をしていた。
ある時、ご主人様が仕事でミスをして、怪我をシタ。
心配。
初めてそんなことを思った。その日、ご主人様のお役に立ちたいと思いながら、私の意識は落チた。
『私は貴女を気に入ったわ、だからその願い。叶えてあげましょう』
夢を見た気がする。魔女ではない、あの女ノ子ジャない、ご主人様でもない。凄くキレイな女の人が出てきた夢。
「誰だろう」
アれ?今のって、声?どうして?
「一体誰よ、アタシの家に忍び込んだの・・・は・・・・・・何?盗っ人?ならまず貴方、服着なさい服、素っ裸よ貴方」
・・・私以外、ゴ主人様しか居ない。下ヲ見る。身体だ。
「なん、でぇ?」
「それを言うのはアタシの方よ、早く服を着なさい。ほら」
ご主人様の服を投げ渡される。いイ匂い。ご主人様が着ていたのを思い出しながら服を着た。
「服、着ました。ご主人様」
「なんでご主人様よ!?」
それから、私は拾ワれた鏡だった事、ご主人様ノお役に立ちたいといウ事、気づくと人になッテいた事を、ご主人様ニ伝えた。
「貴方が鏡で、アタシがご主人様に変わりないって事は分かったわ。貴女に名前をあげる。」
なまエ?ご主人様ガ私に?
「そうね・・・"ミラー"よ。貴方の名前はミラー、これからよろしくね」
それから私、ミラーはご主人様と一緒に盗賊をやり始めた。やってみると凄く楽しくて、心の穴が塞がっている気がした。
名前を貰ってから数年経ち、ご主人様には夫が出来た。私は側仕えとして、ご主人様に仕え始めた。
ご主人様の息子が生まれた。私の姿は変わらない。
坊ちゃまが旅に行かれた。私の姿は変わらない。
坊ちゃまが彼女を連れて帰ってきた。私の姿は変わらない。
坊ちゃまと彼女さんが結婚した。私の姿は変わらない。
坊ちゃまと奥様に娘が生まれた。私の姿は変わらない。
旦那様が天国へ行かれた。私の姿は変わらない。
ご主人様ガ旦那様の後を追うよウに、天国へ行ってしまっタ。私ノ姿は変わラなカッた。
長年勤めタコの場所を離レタ。私ノ姿は変ワラナイかラ。
坊ちゃまと奥様の紐が消えた。時がたッタ。事故デ死ンだのだろウ。私ノ姿ハ変ワラナイ。旅を続ける。
お嬢様の紐が消えた。時ガタッタ。私ノ姿ハ変ワッタ。私ノ身体ニヒビ入ッタ。旅を続ける。
森で暮らしてしばらくたった。私ガ見タ最後ノ人ノ紐ガ消エタ。私ノ知リ合イハ居ナクナッタ。
私ノ身体ハヒビダラケ。今更、思イ出シタ。昔見タ女ノ子ハ【白百合姫】トイウ名前ダッタ。ソシテ私、イヤ・・・俺ハ白百合姫ニ、初恋ヲシテイタノダト、今更気ズイタ。
次また会ったら、今度は告白出来ますように。
こうして一枚の鏡は誰にも気づかれずに、この世を離れた。
一人の旅人以外には。
『ばいばい、ミラー君。君のお話、とても楽しかったよ』
最初に考えた感じと変わったけど、まぁいいか。
ご主人様との恋愛ルートもあったけど、今回は気づいた頃にはもう遅い系にしました。
文章がカタカナになっている理由、把握しながら見るともしかしたら・・・(;_;)