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[34話]依頼亭

「ありがとうございます!あなた達がいなかったら私は今頃あの化け物の中でグジュグジュにされてました!」


「グジュグジュって嫌な表現だなぁ。ところで名前は?」


腹に空いた穴を埋めながら立ち上がる。


「私ですか?私の名前はニエル・ニーロです!気軽にニエルとて呼んでくださいね!」


「そうか、ニエル。ひとつ気になることがあるんだが、なんでそんな格好で森の中にいたんだ?」


「それ、私も気になってたんだー」


ニエルが身に纏っているのはワンピースだけで、何かを持っているわけでもない。

森に入るにはどうも準備が少なすぎるように思える。



「訳ありか?でも亜人…っぽくはないな」


「訳あり=亜人ではないです。ですがこんな姿で森に入ろうとする人はみたことないですね」


「あはは…訳ありでも亜人でもなくてですね…こんな姿なのは時間がなかったからで…」


ニエルはバツが悪そうにポリポリと頭をかく。 


「…?なんで森にいたのかますますわからなくなってきたぞ」


「複雑な理由なんて無いんですよね。単なる数合わせです」


「…?」


「あー、依頼亭か」


聞き覚えのない単語にニエルは「それです」と頷く。


「なんだレイ、依頼亭って」


「そうか君は知らないのか。ラグちゃんは聞いたことある?」


「私は耳にしたことはあります。詳しく知りませんが…」


「そうなんだ。依頼亭っていうのはね、誰かの頼み事…害獣の駆除や何かの採取など、それを請け負ってできる誰かへと仲介する店のこと。ポルナス君はモンハンのクエスト受注でもイメージしとけばいいよ」


「あーなるほど。でもそれがどう関係してるんだ?」


システム自体はよく聞くやつだが関連性がイマイチわからん。


「これは一般人でも依頼を受け取ることができるんだ。でもその中には当然危険な依頼まである。だから様々な条件がつけられることがあって、一定以上の実力や人数が求められるわけ」


「…なるほど、だから森の中にこんな格好でやってきたのか」


「そうですね。本当は私来る予定じゃなかったんですけど、1人ばっくれちゃったんで無理やり…やっぱり人望無いんですかね、私」


しなしなと悲しそうにうなだれ始める。


「それは気の毒に…というか他の人達は今どこに?」


「さぁ?でも今頃私の跡を追いかけてるはずだからもうすぐここに現れると思いますけど」


すると、すぐそこから2人の男が現れた。


1人は袖が大きな中華風の服に身を包み、オレンジに髪を染めていた。

背が低く見た感じ中学生ほどの年齢だと思われる。


もう1人は桃色の髪をして、だぼっとした白衣を着こなしてみるからに気だるそうだった。


オレンジ髪の方がこちらに気付き相方にへと伝える。

桃色の髪をしたやつがこちらを見るや否や猛ダッシュで駆け寄り、


ラグへとかしずいた。


「美しいお嬢さん、ワイとディナーでもどうっスか」


「え?」


「死ねやロリコン!!」


困惑した瞬間、オレンジ髪の男が桃色の髪の男を地面へと叩きつけた。

あたり一面に砂煙が舞い、クレーターが生まれた。

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