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8話 精霊チーチとハチミツ

「いらっしゃいませ!」


おみせやさんは元気にあいさつするんだよ。

ぼくは行ったことないけど、魔人族の人がいってたからきっとそう。

それにぼく、あいさつするのすき!


「パンケーキひとつちょうだ〜い」


妖精さんにはい!とパンケーキが乗ったお皿をあげる。パンケーキはイアスがつくってくれたから、ぜったいにおいしいんだ♪


「ありがとうございました」

「ワウワゥー」

「いらっしゃいませ!」


妖精さんのあとはオオカミさんもならんでた。

出窓のところに前足をかけてたってる。大きいなぁ。


「ワンワーわんわゥ」

「はい、パンケーキどうぞ♪」

「ワンっ」


オオカミさんはお皿がもてないから、パンケーキを一枚おくちにさしだす。パクってくわえてもっていくオオカミさん。


「ありがとうございました」

「しっかりお店屋さんになってるな」

「ほんと!」


おへやのおイスにすわってたイアスがほめてくれた。うれしいな♪


イアスが作ってくれた台からぴょんとおりる。ぼくがちいさいから出窓にとどくように作ってくれたんだ。みどり色でステキなの。


「客も増えて立派なパンケーキ屋になったな」


足元にきたぼくをヒョイと持ち上げておひざに抱っこしてくれる。向かいあうみたいに座って、ぼくがイアスを見上げておしゃべりする。


「りっぱってかっこいいってこと?」

「そうだ。チーチのパンケーキ屋はかっこいいぞ」

「うれしい! ぼくのだけじゃないよ。ぼくとイアスのパンケーキ屋さんだよ」

「そうか、私もか。ではより一層頑張らなくてはな」

「うんっがんばろーね!」


イアスが頭をなでなでしてくれた。ふふっおみせやさんは楽しいな♪ しっぽが勝手にピコピコふるえちゃう。


イアスが指をふいってするとお皿にのったパンケーキが飛んできて、そのままそぅっとテーブルにちゃくち。もう一度ふると棚からカチャカチャってフォークとナイフも飛んできた。


「食べよう」

「うん!」


イアスのおひざから、となりのおいすに移動する。おいすはピッタリくっつけて並べてあるから落ちたりしないんだ。


イアスが魔法でぼくのパンケーキをきってくれたら、フォークをプスリ。ふわふわパンケーキは卵のにおいがして、ほんのりあまくてとってもおいしい♪


「おいしいね♪」

「ああ」


ニコニコしながらパンケーキを食べるとしあわせな気持ちになるんだね♪




「チパチパハチさんブンブブーン♪」

「チーチは歌がうまいな」

「えへへ」


イアスといっしょにハチさんさがし。パンケーキにはハチミツかけるともっとおいしいんだって! 妖精さんがおしえてくれたんだ。


イアスの家をでて、お友達のハチさんの家にむかってます。とちゅうで会えたらいいなあ。


「大きいハリ♪ハチさんチクチクー♪」


ブンブンブンブーン!

おうたを歌ってたらハチさんの音。きこえてきた空をみる。


「あっハチさん!」

「………なるほど。精霊の友人はキラービーか」


お友達のハチさんはイアスのお顔より大きい。ハリもピカピカでとってもキレイ♪

お空からゆっくり降りてくるから、ブンブンって音がどんどん大きくなってきた。ぼくのおでこがハチさんのはねの風でまるだしになっちゃう。


ずっと上を見てたらイアスが抱っこしてくれた。ハチさんはぼくのお顔のたかさでストップ。そのままブブブブ!って浮いてるの、ホバリングっていうんだって。


「ハチさんこんにちは!」

 ブンブンブブブ!

「あのね、ハチミツください」


ぺこり。おじぎしてハチさんをみたらポワポワのえりまきをした首をかしげてる。どのくらいって聞いてるみたい。


「んーと、この瓶にいれてください」


お気に入りのポーチからごそごそと瓶を取りだした。ぼくの手のひらくらいちいさいの瓶。

ハチさんは小瓶を細い手で持つとブンブンブーン!と飛んでいっちゃった。


「いっちゃった……」

「ふむ。待てばよいのだろうか」


イアスといっしょに森でハチさんをまつ。

抱っこされたままだから、リンゴをぼくがもげる!

いつもは高いところにあって取れないんだ。両手でしっかりもってグイってひねるとリンゴがとれた♪まっかなリンゴはずっしり重くていいかおり♪


「もぎたてどうぞ!」


イアスに差し出すと、シャクッて音がしてもぐもぐしてる。


「おいしい?」

「ああ、瑞々しくて美味しい。良いリンゴだ。チーチも食べて」

「うん!」


あーんと口をあけてリンゴをかじったらシャクって音がした♪あまくてとってもおいしい♪


「おいしいね」

「おいしいな」


ふふっイアスもリンゴ好きなのかな? ふたりでひとつのリンゴをシャクシャクたべる♪まんなかに黒い種がでてきた。


「蒔けばリンゴの木になるな」

「わあ!そうしたらいっぱいリンゴたべれるね!」


まんなかにだけ残したリンゴをポーチにぎゅうっと入れてたら、ハチさんが戻ってきたみたい。


ブンブンブーン!って音のするほうをみたら、小瓶にたっぷりの金色ハチミツがキラキラ。お日さまの光でひかってとってもきれい♪


ぼくとイアスはお顔をみあわせてニコニコした。

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