5話 精霊チーチとノームのポッポ
「ふぁあ……」
ごろん。お日さまがでて目がさめたけどまだねむい。
今日のベッドは友達のポッポおすすめの水色きのこ。おおきいかさはプニプニで気持ちいい。お耳をあててよぉく聞くとカランコロン♪ すずみたいな音がして、聞いてたらねむくなってきちゃう……
「チーチ!」
「!」
パチッと目をあけたら透明なきのこの下に三角ぼうし。ポッポだ!はじっこまで行って、よいしょと下をのぞく。
「ポッポ、おはよう♪」
「おはよーチーチ。きのこの寝ごこちはどう?」
「とっても気持ちよかったよ!カランコロンも楽しいね♪」
「よかったぁ」
ニコニコしてるポッポはぼくの精霊仲間。種族はちがうけど仲良しなんだ。
「きのこさん、きのこさん、おろしてください」
きのこをペチペチするとかさがトロンと垂れてすべり台みたいになった。すいーと降りるとポッポがニコニコしてまっててくれる。
「あそぼー!」
「あそぼう♪」
手をつないでふたりで森の中をおさんぽ。ポッポはぼくとおなじくらいの背のたかさだから歩くのもぴったりだ。
「ふんふんふーん♪朝はきらきらすずしいよー♪」
鳥さんにあいさつしたり、木のあなをのぞいたり。
お日さまの光で森もキラキラしててきれい♪
「チーチはおうたが上手だね」
「えへへ」
「あっキャベツー!」
森のちいちゃい湖。いつもは精霊や妖精さんがいっぱいだけど、いまは朝だからまだいないみたい。
そこにおおきいキャベツがひとつ。
「チーチのキャベツ大きくなったねー」
「うん!」
葉っぱは元気にひろがって、まんなかのまぁるい所はぼくのお顔が隠れちゃうくらい。もうちょっとしたら食べ頃よって水の精霊がおしえてくれたから「もうちょっと」を待ってるの。
「笛ふこう♪」
両手をぱんぱんってするとぼくの笛がでてくる。ゆりのお花みたいな形でまっしろなやつ。
「せーのっ♪」
プッププカプ♪ プープッカ♪
うん!だいすきな音が吹けた! たのしくてキャベツのまわりをスキップ。ポッポもいっしょにゆーらゆーらダンス♪
ミシミシ、パリパリ……
キャベツの葉っぱが音をたてて動きだしだ。
よしよし、成長してるね! どんどん吹こう♪
プッカププッカ♪ プーポプー♪
ミシミシミシ………
いつの間にか光の精霊たちも集まってふわふわしてる。ちょっと魔法もかけてくれてるみたい♪ みんなで輪になってプカプカプーカ♪
みんなでおどってたら、お花みたいに開いてた葉っぱがぜーんぶまるくなって、
「キャベツできたー!」
「チーチすごーい!」
ばんざーい! まんまるキャベツができたよー!
笛をぽいっとしまってキャベツをじっくりながめる。ふむふむ、そとがわは濃いみどりでかたそう……食べるところはなかみだけ?
「んんんー!」
両手でぐいっと持ちあげようとしたけど、地面にしっかりくっついて無理。
むむ、ねじるのかな。右手をまえに左手をおくにして押す! とことことこ。
「あれ?」
キャベツのまわりを歩いちゃったみたい……?
もういっかい! ねじるんだよ、両手でもってクルってねじる。
とことことこ……
「キャベツいっしゅうした……」
ふしぎだなぁ。
「キャベツを取りたいの?」
「うん。ポッポできる?」
ポッポがキャベツの根本にすわって魔法をかける。
ポコン!
ジャンプしたキャベツがぼくのところまで飛んできた。
両手でつかまえるっけどおもいよー!?
「キュゥゥーっ」
どしんと尻もちついちゃった。
「チーチだいじょうぶ!?」
すぐにポッポが来てくれて頭をなでなでしてくれた。なでなでしてくれるポッポの目が涙でうるうる。それを見てたら、ぼくもなんたがかなしい気持ちになってきた。
「……半分にしなさい………」
ザバァ! とつぜん湖からお水でできた手がでてきて、キャベツに魔法をかけた。ぱっかりとはんぶんに割れるキャベツ……
「わぁ。きれいないろ」
「ほんとだー」
キャベツのなかはキレイなきみどり。
ぼくとポッポは顔を見あわせてにっこりした。
「「水の精霊、ありがとう♪」」
ふたりでペコリとお礼をする。ザザーと湖にかえる手。ここに住んでる精霊だ。
「ポッポにはんぶんあげるね!」
「いいの! ありがとうチーチ」
はんぶんだから抱っこしてもてる。
「みんなで食べるね! チーチは?」
「ぼくはイアスにあげるんだぁ」
「イアスってだあれ?」
「おともだち♪あと妖精さんにもあげる!」
「そっかぁ!」
「うんっ」
おひるになったから、ふたりでいっしょにバイバイってしておわかれ。
ぼくはおうたを歌いながらイアスの家に行こう♪
イアスはキャベツすきかな? すきだといいな♪