悪魔17
フフフ、あの子はどんどん強くなっているみたいで嬉しいわ
きっとリィリアを私のものにしてみせる
あの子が悪魔になればキャリーはもういらないわね。従順だけど弱すぎるわ
弱い子はいらない。帰ったらあの子は奴隷悪魔にでもしてもらおうかしらね、私専属の
キャリーのことは愛してるわもちろん。あの子は本当にうまいもの
だから夜の営みだけ役立ってもらって、あとは死んでもいい使い捨てかしら
まぁ四恐くらいならいくらでも補充が効くもの
私はずらりと並んだこの世界にいる種族で作り出した悪魔もどきを見る
もう少し、もう少しで私も悪魔を作れるようになるはずよ
そうなれば爵位も夢じゃない
「いい? お前たちの目的の最優先はリィリアという少女をここに連れてくること。それ以外は殺して構わないわ。連れてくる上で邪魔なら国ごと滅ぼしてもいい。とにかくどんな手を使ってもその子をつれてくるのよ!」
「「「グォアアアアア!」」」
悪魔もどきが一斉に叫んで私の役に立とうと走り出したわ
可愛い子たち。本物の悪魔にはできなかったけれども、意識を保ったうえで従順な、優秀なモノが出来たのは上場。この子たちなら今すぐにでも世界を滅ぼすこともできる。本当ならそうすべきなのよね
でもリィリアを悪魔に出来るなら多少契約を破ろうとも許される
それほどに私の力は画期的かつ強力なものに育っているのだから
うまくいけばルシファー様やサタン様とはいかなくても、アザゼル様やルキフグス様といった宰相の方たちに気に入ってもらえるかもしれない
そうなれば今のこのみすぼらしい私の生活にも色が差すはず
悪魔として生まれて数千年
こんなチャンスはもうないと思っていた。でもここに来ての私の成長は目覚ましい
それもこれもリィリアという強敵がいてくれたおかげ
彼女を絶対にものにして、私は爵位を得るんだ
キャリーもエスターも、もちろんヨローナも目じゃない
「さて、あの子たちの目を覗いてみようかしら」
これも新しく私に備わった力
作り出したモノを通して状況を見ることができる
任意で切り替えることで全ての子の今見ている状況が理解できるわ
ただこれを使うと私は一切動けなくなる
そこがネックだけれども、だからこそ私はとある国のこの教会、魔力を遮ってくれる結界があるこの教会の地下で姿を隠している
ここならもしヨローナが攻めてきても見つけることなんてできない
まああれにそんな度胸があるとも思えない
私は悪魔もどきたちにもう一つ指示を与えていた
それはヨローナの抹殺だ
本来なら簡単なはずのこの契約を複雑化させた原因のヨローナ
まぁ今となっては少し感謝くらいはしているわ
だって私、こんなにも強くなれたんだから
でも、あいつは殺す
今までも言うことを聞かないことはよくあったけれど、ちょっと殴ればおとなしく聞いていた
目を放したのが間違いだったわ
魔王を連れて逃げる勇気があったなんて思わなかったもの
「あら、メストーラは目につく人間を喰っているのね。いいわいいわ、バルバルアはどうやら子供を捕まえていたぶっているようね。いい悲鳴、その横で泣いて子供を取り返そうとする親の叫び声もそそるわ」
私は口が裂けんばかりの笑みを浮かべて悪魔もどきの見ている状況を楽しむ
そうだわ、そういえばリアナの様子を見ていなかったわね
今度は二番目に作れた悪魔もどきのリアナの目を覗いた
物事を考える脳は破壊しているけど、五感は潰していないから難なく見れたわ
その様子に私は喜びを感じた
今まさに、そのリィリアが戦っているのが見えた
フフ、何ていい顔なのかしら
どうやらこのリアナはリィリアちゃんの知り合いだったようね
ああ、ああ、何て私を濡らしてくれる表情を浮かべるの!
たまらない、たまらないわぁ
私は指を股に這わせつつリィリアの様子を見続けた
でも、その光景は長く続かなかった
リィリアは突然頭を抱えると光り、一瞬にしてリアナの懐に潜り込んで手を添えた
その直後、リアナの視界が暗くなる
殺された?
あの一瞬でリアナを殺したというの?
ああ、ああ、なんてこと、ますます素晴らしいわリィリアは!
やっぱり欲しい、欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しいぃいいい!
指を動かす手が速くなり、私は果てた
リィリアが欲しいという思いはどんどん強くなっていく
エスターもキャリーももういらない
私とリィリア、二人だけの世界を創って永遠にそこで二人で…
場所はセロランド王国ね
そこにいてねリィリア、私の愛しいリィリア
私はそこに一斉に悪魔もどきたちを向かわせる指示を念覇によって伝えた
私も、行かなくちゃね