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終わりの始まり7

 マルカは原初と呼ばれるこの大いなる世界全てを産んだ者と、人間との間に生み出された強力な力を持つ少女だ

 彼女は数千年封印されていたが、世界を元に戻すためその封印から解放された

 そして彼女はその封印について一切怒ることなく、神々に協力を申し出た

 まだまだ母である原初の力にまでは追いついていないが、それでも協力無比な力を持つ

 白に首を断たれても死ななかったのもその力によるものだ

 彼女は自身の空間に相手をいざなうことで相手を自分の思う未来へいざなうこともできる

 この大世界の中で世界を作り出せるのも彼女だが、黒と白にも世界を作り出す程度の力はある

 しかし、彼女には唯一無二の力があった

 それは大神や神と言った者すら生み出せる力があることだ

 その力を使うため、彼女は原初がかつて住んでいた場所へと向かっている

 そこは根源などとも違った秘匿された場所で、その場所は一部の神と彼女しか知らない

 白と黒すら入り込めない聖域だ


「く、思った以上にダメージが大きかったみたいね。少しフラフラするわ。でもここで私が踏ん張らなきゃ。お母さんみたいに、この世界を守らなきゃ」


 マルカは治ったばかりの首をコキコキと鳴らすと拳で世界の壁を割って移動を始めた

 恐るべきスピードによって壁は破壊されるが、その壁は彼女が通ったそばから元通り戻って行く

 時間すら歪む彼女の移動は時折(ひずみ)を産むが、彼女はそれすらも修復しながら走る


「ついた」


 そこは特に何もなく、ただ一つ丸い部屋のようなものが浮いているだけだが、そこにはかつて彼女の母がいたときの名残があった

 マルカは母がいたであろうその場所にゆっくりと横たえる

 生まれてからずっと、彼女は母に抱きしめられたことはなかったが、数十年前の世界を揺るがす事件によって再会できた

 たっぷりの愛情をもらえた直後に原初は消えた

 自ら犠牲になり、世界を守ったのだ

 当然マルカは悲しんだが、その身を犠牲にして全てをマルカに託した原初

 マルカはその思いに答えたかった


「お母さん、お母さん」


 一筋の涙を流した後、彼女は原初が数十億年をかけて座っていた場所に自らも腰掛ける

 ゆっくりと目を閉じると、原初がこの場に蓄積していた力を自らに取り込み始める

 この事はマルカ以外誰にも知られていない

 原初が、もし自分の手に負えない本当の危機が来た時にこの場で力を吸収しなさいと教えられていた

 マルカは原初の全ての力を自らに取り込むと、立ち上がった

 今までよりもさらに強力な力に目覚めたマルカは次元を裂くといまた移動を始める


「まずは仲間を見つけないと。やっぱりサニアとルニア、それにプリシラと…。え、何この力。白なの? いえ、邪悪さは感じない。一人じゃない!? 何なのこれ…。同時多発的にいろんな世界で生まれてる? そっか、世界自体が対抗できる者を生み出しているのね? そう、それが世界の意思。なら私もそれに答えなくちゃ」


 マルカは何かを理解したようで、嬉しそうに納得する

 世界は、白に対抗するための勢力を生み出し始めていた


「ねぇネイト、二人だけになったらどうしたい? 何でもできるわ。あなたが望むなら世界を創ったっていい。ただ、私とあなた以外生命体は創らないけどね」


 ネイトが答えるはずもないが、それでも白はネイトに話し続ける

 それが隙を産んだ


「見つけた」

「え?」


 白が縦に裂け、その体が消える


「黒の核。なんて純粋な光。待ってて。今洗脳を解くから」


 ネイトの頭を優しく撫でる女性

 彼女の頭には二本の力強い角が生えている

 彼女はネイトを抱え上げる


「白は、あれは核ではなかった。核を滅ぼさなければ…」


 鬼神の女性サクラはメルカと同じ目的のため動き出した

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