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終わりの始まり6

 根源へとたどり着いた二人はすぐにその場で力を行使し始めた

 しかしながらその力は霧散し、この大世界を破壊するには至らなかった


「何よこれ! なんで力が使えないの!?」

「あなたたちの行動は全て見ていましたからねぇ。おじい様とおばあ様にここを封印してもらいました。そしてここでは私以外力を使うことができませーん」

「何よあんた? いや分かったわ。ここにいるってことは種蒔く者の血統、あいつらが作った」

「半分正解で半分間違いね。私はマルカ。人間と原初のハーフってところかしら。貴方たちはここで消えてもらうわ」

「ふん、たかだか原初の娘程度が? 私を止める? やってみなさいよ」


 白の少女がネイトに指示を出すと、虚ろな目をしたネイトは前に出てマルカという少女に対峙する

 マルカは力を解放し、ネイトに迫った


「あなた、それでいいの? あなたならそんな洗脳簡単に抜け出せるんじゃない?」

「何を言っても無駄よ。この子は私の一部になってるんだから。ほらネイト、殺しなさい」

「ふぅ、少しショック療法が必要なのかしら?」


 視界からマルカが消えてネイトの背中辺りに拳を突き出していた


「これから起こることは既に起きた事象を再現しているだけ。あなたたちは私の思い描いた未来以外にたどり着くことはない」

「何を」

「理解できない? そうよね、私の力の中にいるんだもの」


 場面が変わってネイトは地面に突っ伏し、白い少女はマルカに蹴り上げられていた


「アッグゥ! ゲフッ」

「別に殴ったり蹴ったりしなくてもいいんだけど、実力差を見せるにはこれが一番だと思うの」

「あんた、何者よ!」

「さっき言ったじゃない。原初と人間のハーフだって」

「その程度の存在が私にダメージを負わせられるはずが」


 白の言葉を遮って再び拳が腹部にめり込む

 気が付くと今度は右腕を折られていた


「一体どうなって、いるの?」

「疑問ばっかり。ちょっとは自分で考えたら?」

「くっ! ネイト! 私を守りなさい!」

「理解が遅いわね。そのネイトちゃんが守ろうとも、事象は変わらない。確定された未来にしか行きつくことはないわ。あなたが消えるという未来にしかね」

「そんなはず、ない!」


 顔面に撃ちだされた拳を掴むと、白はその拳を引きちぎった


「あらら、ちょっと油断、しちゃったかしら?」

「油断? そうじゃない。もう捕まえた。ここからは私の反撃」


 白は千切った腕をムシャムシャと喰らい始めた


「なに、して」

「これであんたに近づいた! もう未来は確定することはない」

「まさか、私の力を取り込んだって言うの?」

「さぁどうかしら」


 またマルカが白の視界から消えるが、白は左側の何もない空間を蹴ることで彼女の攻撃を防ぐと同時にマルカの首を蹴り千切った


「アハハハハハハ! 対応したわよ!」


 転がり落ちるマルカの首を踏みつけ、ぐしゃりと潰す

 真っ白い血液のようなものと肉片が足元に広がっていく


「アハハハハハハハハハハハハハハ!! お前程度が! 私を止められるって思ったのかよ!」


 ぐしゃぐしゃとマルカの頭の残骸を踏みにじり続け、満足したのかネイトに指示を出す


「ネイト、力もう使えるわよね?」

 

 コクリとうなづくネイト

 彼女は再び根源の中心に立つと力を使った


「いいわいいわいいわ! ネイト、最高よぉ。ほら、もっともっと力を出しなさい。ぜーんぶ消しちゃいましょう! あいつらの世界をぜーんぶ! そしてそこから白と黒だけの世界をもう一度始めるの! あの時と同じように、平和に、ゆったりと」

「あ、あ、う」

「あら、まだ意思が残ってるの? まぁそれももうすぐ完全に消えちゃうわ。ネイト、私達二人っきりになるのよ。他には何もない二人っきりの静かな世界。生まれたときからずっと夢見てた、黒と白がまじりあう世界。愛しているわネイト」


 力を解放し、溜め続けるネイトの唇にそっと自分の唇を重ねる白

 白はそっとネイトを抱きしめ、世界が消えるその時を待った


 別の場所で目を開き、頭を振って首をコキコキと鳴らすメルカ


「く、まさかあんなに簡単に対応されるなんて。もう私じゃ止められない。あれが、白の核…。神々じゃ相手にならないわね。私が、どうにかしなくちゃ」


 メルカは立ち上がるとその場から消え、原初の力をより増させるためにとある場所へと向かった

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