レヴァ2
レヴァは蘇らせた面々に自らの黒を少し分け与えた
「これは白からあなた達を守る力。もしあなたたちが生き返ったと知れば、また襲ってくるかもしれないわ」
「待って! その白とか黒とかってなんなの? 貴方は何者? リィリアは一体どこへ行ったの?」
「ひとつづつ答えていくわ。でもその前にあなたと、それからあなたとあなた。こっちに来てもらえるかしら?
レヴァはナリヤとライラ、そして悪魔のヨローナを自分の前に呼んだ
よく分からないと言った表情で三人は言われた通りに前に来る
「あなたたちはネイト…。リィリアと深く繋がっている中で最もあれらと戦えそうな者たち」
「なぜ彼女たちなんだい? 秘匿されているとは言え神である僕らもいるけど?」
「神かどうか、人間かどうかは関係ない。私と波長が合って、なおかつネイト、リィリアのことを大切に思ってる者の力が必要なの」
それからレヴァは全員の質問に素早くこたえていった
黒とはなんなのか、白と黒の関係は、などである
それらに納得はしたが、彼女たちはリィリアがそのような存在であったことにまだ納得がいっていなかった
「なんで、なんであの子なのよ…。なんで…」
「私は行くわ。あの子には多大な恩がある。それに、こんな力が役に立つなら、ねぇあなた、レヴァと言ったわね。私、悪魔なんだけど大丈夫なの?」
「種族は関係ない。ただ心には善がいる。善なる魂が私達黒の力になるわ。昔は白もそうだった…。でもあいつらは心を、自ら壊してしまった」
静まり返る大部屋の中、ナリヤが話し始めた
「とにかく、私達がリィリアの力になれるの?」
「ええ、でも決して一人で行動はしないで。私と一緒にいて」
「わ、私は、リィリアを助けたい、でも私、弱いから」
「そう、もし怖いならここにいてもいい。無理強いはしない」
「わ、私…。私も行きたい! 私も、行きたいです。もし役に立てなくても、盾くらいには」
「自分を犠牲にする行為は高昇だと思うけど、それは駄目。あの子にこれ以上心を壊させては駄目。大丈夫、あなたは私が守るから」
「は、はい」
落ち着いた三人の後、夫婦らしき二人が前に出て来た
「あの、リィリアは、うちの娘はかえってくるんですか!? 娘は…。あの子に私達が殺される姿を見せてしまった」
「今のネイトの両親かしら? 戻ってくるかどうかはあの子次第だけど、きっと帰りたいとは思ってるはず。だってここはあの子にとってかけがえのない場所になってるみたいだから…。愛されてるのね」
それを聞いて安心したのか、リィリアの両親は泣き始めた
レヴァはそのままナリヤたちに話をつづけた
「さて、あなた達三人にこれからさらに私達の力を注ぎ込む」
「たち?」
「ええ、私達よ」
レヴァが手を後ろにかざすと、そこから黒い少女たちが次々と出て来た
姿はまちまちだが、皆レヴァとネイトの姉妹たちだ
「この五人は私とネイト含めた黒の戦闘部隊セブ。三人に力を与えて戦えるようにするわ」
「戦えるように?」
「ええ、白と戦うの。私達が白に弱いように、白も黒に弱い。だから、あなた達に私達を使えるようにしてもらう」
「使うってどういうこと?」
「私達はあなた達の武器になる。だから、受け入れて」
六人はレヴァと並び立ち、その姿を変容させてナリヤ、ライラ、ヨローナの体にまとわりついた
「ひっ!」
「抵抗しないで。大丈夫だから」
「なんだか、心が軽くなってくる感じ。気持ちいいかも」
「善なる心が解放されてるのよ。大きな善こそが白の苦手とするものよ」
五人、そして最後にレヴァがライラと一つになった
「これで白の攻撃はあらかた防げる。でも油断はしないでね」
「はい」
「分かったわ」
「悪魔が善の心って言うのもなんか変な話よね」
三人の体は黒の防具に包まれている
うっすらと光るそれらは確かな力を感じさせた
「ナリヤちゃん、あの子を、リィリアをどうか連れて帰ってくれ」
「はい、任せてください!」
三人は黒の力を発揮して次元を超えた