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幕間

 これまで僕らはずっと隠れ住み、絶対的女王リリスの名のもとに人間達から魂を奪いながら生きてきた

 僕らは神々に忘れ去られた存在で、かつては人間にも恐れられ敬われていた時期もあった

 僕らが一体何だったのか? それは忘れることなんてない。僕らは神々と同じ光ある場所に生きていた者たち、僕らのような元天使や元神もいる

 でも、奴らのせいで僕らは忘れ去られた

 確かに神々と仲違いもしたのだけれど、それでもお互いうまく利用し合う関係は築けていたんじゃないだろうか

 忘れられた僕らは残された文献や物語上の存在になり果てた。そこから呼び出せる者もごくわずかとなってしまい、魂をうまく集めることができなくなっていた

 そんな矢先にリリスは自ら人間たちの魂を集めるしかないと世界の壁を越えて魂を集め出したのには驚いた

 彼女自身力もだんだん衰えて行ってたはずなのに、仲間の悪魔のためと言って仲間の制止も聞かなかった

それであそこまでの深手を負ってしまい、数千年経っても傷が癒えずに臥せっている

 確かに彼女のおかげで純粋な魂は集まり、仲間たちは生き延びることができた

 彼女には感謝しているが、今の時の傷はあの大女神の時よりも深い

 何にやられたのかは見当がついていた

 頼むヨローナ、いや、アスモ。僕らはそっちには行けないんだ

 無事でいてくれ

 

 クフフ、アスモデウス様ああ

 あたしが必ずアスモデウス様を元通りにします

 まだ私が生まれたばかりの頃、優しく()()くれたアスモデウス様

 あの時からあたしはあなたの虜なのです

 今はあのように弱弱しく貧相な姿になっているようですが、あたしには分かるのです

 ずっと、お慕いしていましたから

 まさしく恋する乙女のように、あたしはヨローナをアスモデウス様に戻すための段取りを考えるため、ひとまず遠く離れた場所へ逃げた

 あの方が復活すれば、七大罪様が全員揃う。そうなれば、リリス様抜きでもさらに魂を集めれるようになる

 そして、悪魔たちは世界に完全復活を遂げれるはずよ

 ああ、その時が待ち遠しいわ


 未来を見据えて思いながらあたしはグランベルゲル共和国という国の空域を飛んでいた

 そこであたしの意識が途切れて、あたしは完全なる死を迎えた

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