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推しからの愛が強い件  作者: しゃのあーる
あなたとこれから
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不毛な言い争い

「あなたのせいでお巡りさんに怒られました」


場所は変わって駅前の喫茶店。

正面に座っているあかりちゃんを半眼で見ながらAYAMIが文句を言っていた。

私の隣りに座っているあかりちゃんに限ってはイラついたように脚を組みコーヒーフロートを飲んでいる。

「私のせいじゃなくない?あんたがニノちゃんに手出てきたから悪いんでしょ!」

ピリつく空気の中、多分、1番の被害者である私が1番体を縮こませて席にいる。


先程、あかりちゃんとAYAMIに窒息させられそうになっていたところ、見回り中だった警察官に止められ公共の場所で喧嘩はやめるように。と3人揃って注意された。

そこから場所を変え、修羅場は続行している。

「あなたがニノさんが嫌がることしなきゃよかったんです!」

あかりちゃんもなかなか好戦的な性格だとは思っていたが、AYAMIも負けず劣らず気が強い。

お互いにバチバチと火花を散らせている。


「…あ、あのさ。まず自己紹介とかしたら?」


「「はぁ?」」


はい。余計なこと言いました。

2人から口をへの字に曲げて一斉にコッチを見られれば肩を竦めアイスコーヒーを啜る。

ホントね、気の強い女の子は可愛いけど怖いんだ…。


「…姫乃彩美です。AYAMIって名前でアイドルの活動してます」

私も黙ったことで場が沈黙すれば、沈黙を破るようにAYAMIが口を開いた。

え、自己紹介案は採用だったの?

ていうか、フルネームで自己紹介する必要があったのだろうか…。

「涼音あかり。Honeyってユニットで活動してるわ…」

あかりちゃんもAYAMIに自己紹介をし返している。

「か、神楽夜ニノです!COLORグループのエンルート所属です!」

「ニノちゃん、ややこしくなるならちょっと黙って」

みんな自己紹介してたしと、意気揚々と私も自己紹介したら黙れと言われて更にしゅんと肩を落とす。

「ていうか、ニノちゃん…私というものがありながら他のアイドルにも手を出てたってわけね…へぇー」

隣りのあかりちゃんの目がギロリと私を捕らえた。

いや、別にアイドルだから遊んでいたってわけではないし、ましてや手を出した訳でもない…。


「誤解です!ニノさんは私に色々な事を手取り足取り教えてくれたんです!これからもたくさん色んなことを教えてくれるって約束しただけなので、手を出されたとかそんなんじゃないです!」


「て、手取り足取りぃ?!」


もう、ひどい誤解しか産んでない気がする…。

誤解を解きたくて口を開けば再び、あかりちゃんから黙って。と言われた。

もう2人とも話聞く気ないじゃーん…。とブクブクとアイスコーヒーを泡立てれば今度は2人から「行儀が悪い!」と叱られる。

私、2人よりも歳上なんだけどな。


「ニノちゃんは私だけのモノだから、ちょっかい出さないでくれる?」

「ニノさんは、あなただけのものじゃないです。私はニノさんとした2人だけの約束があるので、これからも遊んでもらいますがね!」

「な?!なによ、2人だけの約束とか!!」

「そんなのあなたに教える必要ないので」

ヒステリックに言うタイプのあかりちゃんと、冷静に煽りをいれていくタイプのAYAMI。

2人の口喧嘩となればAYAMIに軍配が上がりそうな感じだ。

ぎゃーぎゃーと続く不毛な言い争いに机の上に顔を伏せる。



「もう…家帰りたい…」

今年最後の更新です!

たくさんの応援ありがとうございました!

不定期更新の中でも感想いただいたり、ブックマークいただいたり、評価いただいたりと本当に本当にありがとうございます。


また来年も、推し愛をよろしくお願いいたします(*´︶`*)


*追伸*


外部サイト、ファンティアのほうで出遅れにも程があるクリスマスストーリーを掲載されております。

よろしかったらそちらも読んで百合充していただけたら嬉しいです(笑)

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