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推しからの愛が強い件  作者: しゃのあーる
あなたとこれから
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猫の舞

怪しいミント味のパフェと空になったオムライスの皿を下げてもらい、食後のコーヒーを楽しんでいれば一際大きくなるBGMに店内が少しザワついた。


向かい側に座っているAYAMIも「うるさっ…」と呟き天井に設置されているスピーカーを見ている。

音が切り替わりドンドン、と低音が腹に響くユーロビートアレンジのアニソンが流れ出せば店内の真ん中に設置されている小さなステージにメイドちゃんが1人ピョンっと飛び乗った。


「そちらのお嬢様達よりライブのご注文頂きましたにゃん!!猫じゃらしを持ってるご主人様お嬢様達は猫じゃらしをいーっぱい振って欲しいにゃ!!」


クルンっとメイド服のスカートを翻してメイドちゃんが私達を紹介し、あの"光る猫じゃらし"ことサイリウムを振って欲しいとお願いをしていた。

突然の事に戸惑って私とメイドちゃんを交互に見るAYAMIを余所にパキッとサイリウムを折れば「いえーい」とメイドちゃんに向けて振る。


メイドちゃんがマイクを肩からかけているポシェットにしまえば、高々と右手が上げられそれを合図に店内の照明が消える。

ユーロビートアレンジのアニソンから切り替わって流れ出すのは、一時期流行って紅白にも出た電子の歌姫の曲。

メイドちゃんがステージ上でその曲に合わせて踊り出せば、ステージの上のライトだけがつきその姿を照らす。


"光る猫じゃらし"を持っている人達はそれを振り、持ってない人達は手拍きでステージを盛り上げる。

AYAMIも最初は戸惑っていたが、すぐに自分のサイリウムも折ってライブに参加していた。


「すごい!すごいです!」

メイドちゃんの踊ってみたライブが終わり、手持ち無沙汰になってサイリウムをクルクルと回していれば、興奮気味にAYAMIが「すごい!!」と連発して言っていた。


確かにメイドちゃんのダンスはキレッキレだし、足場の狭い所で踊るのは窮屈だろうにそれを感じさせない動きは一見の価値有りだ。

「お嬢様にすごいって言ってもらえて嬉しいにゃぁ」

ダンスを終えたメイドちゃんが少し照れくさそうに笑いながらコチラに挨拶がてらに寄ってくれた。

まだ光っているサイリウムをフリフリと振って「楽しかったー」と言えば、いぇーい!とハイタッチを求めてきたメイドちゃんとハイタッチを交わす。


今のご時世、メイド喫茶は下火だと言われてるがいつの時代だってメイドちゃんは萌えるぜ。


楽しかったライブの直後に「延長しますか?」ってキャッシュなこと聞かれてもね。

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