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推しからの愛が強い件  作者: しゃのあーる
あなたとこれから
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全力で楽しむスタイル

連れ立って電車に乗ってからもAYAMIの手は離れず、なんとなく恋人繋ぎのまま秋葉原へと降り立った。


駅の改札を出てすぐなんて、休日でもないのに観光客でごった返してる。

街並みはここ数年で様変わりしていて、今やゲーマーズの看板もでじこじゃなくなった。

私をヲタク道に引きずり込んだ、でじこと美紗さんの罪は深い。

あとギャラクシーエンジェルとちょびっツは絶許だ。

あんなん、小学校高学年から中学生にかけての多感な時期に日曜日の午前中にやってるとかあの時代のテレビ関係者は頭がおかしかったんだきっと。

まだ無垢な子供達をヲタク化してヲタクを量産しようとしてたに違いないんだ。

あと夏休みの期間中に午前中やっていたサクラ大戦。

話しがわからないながらも檄帝国華撃団を歌っていた記憶がある。


あ。ちょびっツは深夜帯だったけどね。


まぁ。どれも約15年から20年前の作品だ。

私の話を聞いてくれている人達、新しいものばっかりじゃなくてたまに懐かしみながら過去の有名作品を手に取ってみるのも面白いものだよ。


変わった街並みを見ながら、AYAMIの行先を聞けば良く行くライブハウスでそこなら道案内できるよ。と連れていく。

なんでも今度、ここでライブしてくれとオファーがあったから下見に来たのだと。


「この後、予定空いてたら食事とかどうですか?」

ライブハウスを2人で確認し、駅からだとこう来ると近道でわかりやすい道だよ。と説明しながら歩いていればAYAMIがもじもじとしながら食事の提案をしてくれた。

「いいね、お昼で混む前にお店入っちゃいましょう!」

何がいいかなぁ、と2人で話しながらブラブラと秋葉原の街中を歩く。


「こんにちは~!お嬢様方、お昼まだならメイドカフェとかはいかがですニャン?」


手を繋いで歩いている私達の目の前にひょこ、と現れた猫耳を付けたツインテールのメイドさんに足を止める。

「今ならすぐご案内できるし、ご飯物もありますニャン!」

鼻にかかるアニメ声に語尾の「ニャン」。

うっわ、怪しい~。と思いながらも、店のお客様のきゅーちゃんと秋葉原観光している時とかは道端で声を掛けてくれるメイドさんや忍者ちゃんにホイホイとよくついてったものだ…。

AYAMIの顔をチラリと見れば興味津々といった様子で猫耳メイドさんを見ていた。

「可愛いメイドさんいる?」

「はい!可愛いメイドちゃん達がお嬢様達をお出迎えしますー!」

「じゃあ、案内お願いします」

「わぁ!お嬢様ありがとニャン!こちらですニャー」


独断で決めてしまったが店まで行く道中にAYAMIが「メイド喫茶ってはじめてで楽しみです!」とニコニコと笑ってくれた。

ホイホイされてついてった店先に置いてある「メイド出没注意」の看板にプッと笑いながら店に入る。

パステルピンクとパステルパープルの可愛らしい店内。

「「「おかえりなさいませ、お嬢様方!」」」

元気良い猫耳メイドさん達の出迎えてくれる声。

ああ、なんたる幸せ空間。


席に案内されて座り出てきた水は、どうやら飲みすぎると猫になってしまう魔法の水だと説明をうけ、店内のルールについてもしっかり説明をうける。

真剣な顔で聞いているAYAMIにメイドさんが「今から私達の言葉がわかるようになる魔法をかけますニャ、目をつむってくださいニャン!」と言い、目をつむったAYAMIに猫耳カチューシャをつけていた。

魔法は成功ニャ、と自慢げに控え目な胸を逸らすメイドさんに拍手を送りメニューを受け取る。

状況がよくわかっていないAYAMIが猫耳カチューシャを照れくさそうに触っていた。


「何が良いんでしょう…悩みます…」

まぁメイド喫茶なので食事もオムライス(お絵描き付き)が鉄板中の鉄板で、あとのメニューはピンクラーメンだのパフェだのちょっと変わり種が多い。

「普通にオムライスとかで良いんじゃないですかね?」

「あ…でも、私これ気になります」

オムライスを頼もうと促す私にAYAMIがまたヤバそうなものに目を付けた。


その名も「ユニコーンカフェ」。


「カラフルで可愛い感じじゃないですか?」

可愛い…可愛い…?

うん、まぁ…可愛いか?

メニューの写真はパステルピンクとパステルパープルのアイスに苺ソースの入ったパフェだ。

そのアイス部分にユニコーンっぽくデコレーション。

本人がこれがいい、っていうんだからいいんだろう。

オムライスとユニコーンパフェを注文し、メイド喫茶初体験だというAYAMIに私から1つプレゼントを頼んだ。

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