カモネギ、ニノちゃん。
「ニノちゃんなら良いよ…私。」
…………。
んんん?
あれ?予期していた返答とは違うぞ…?
タラタラと背中に汗が伝いだす。
ジッと大きな瞳に見詰められたまま動けない。
(いや、待て。推しに「ニノちゃんなら良いよ」とか最高かよ。)
そう考えた瞬間に急に恥ずかしくなってきた。
何を言わせてんだ、私。
「に、ニノちゃん!!鼻!!鼻血!!」
「…へ?んんん?!!」
ボタボタと垂れる鮮血。
カッコつけていたのを台無しにする両方の鼻の穴からの鼻血。
慌てたあかりちゃんにおしぼりで鼻を塞がれた。
かっこわるぅ、私。
あかりちゃんに鼻血をされるがままに処置され、アルコール禁止!と怒られ、シャンパンの代わりに渡されたチビチビと烏龍茶を飲む。
一張羅にと新調したばっかりのフレアワンピースの裾にも血滲みが出来てショックで唇を尖らせていたら、あかりちゃんに妙にギラギラと輝いた目で捨てるならそのワンピースを寄越せとおねだりされて複雑な心境だ。
「ニノちゃん、少しは落ち着いた?」
電話してくる、と1度離席したあかりちゃんが戻ってきてクスクスと笑いながら心配された。
「…大丈夫」
「そう、良かった」
自分の鞄に携帯をしまっているあかりちゃんの機嫌は良さそうで、クッションの上に座っている私の膝に擦り寄ってきて膝の上に顎をのせる。
「そろそろ帰る?」
首を傾げながら言われた言葉に腕時計を確認した。
そうだ、終電の時間があるんだ。
そう思って見た腕時計が指している時間に目が点になった。
「…へ?!え?えぇ?!なんで?!」
「どうしたの、ニノちゃん?」
とっくに新幹線も普通電車の終電の時間は過ぎている。
あれ?!そんなにゆっくりしてたっけ?!腕時計壊れた?!とちゃんとした時間を確認しようと鞄から携帯を取り出そうとした時に、あかりちゃんにガシッと手を掴まれ制止させられた。
「電車…なくなっちゃったの?」
物凄く良い笑顔を向けられている。
嫌な予感しかしない。
「と、時計こわ、れてる…みたい…イタタタタ…」
あかりちゃんの手を振り払い携帯を取ろうとするも、振り払うのを押さえ付けるあかりちゃんの力も強い。
スーパーインドア派の私と普段からダンスで鍛えているあかりちゃんでは力比べも私が圧倒的に不利だ。
「…電車、ないよね?」
笑顔のままググッと押し付けられる手にヒクッと顔が引き攣り自然と涙が出てきた。
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