恋愛脳と非リア充脳
甘めのシャンパンと、新鮮で彩り鮮やかなカルパッチョ。
ニンニクの唆る香りのする野菜と海老のアヒージョ。
生ハムとサラミ、チーズの盛り合わせ。
小さいテーブルにぎゅうぎゅうに揃った酒のつまみの全部に私の好みが反映されていて覚えてるんだ!と少し照れくさくなった。
酒はあかりちゃんの好みの甘めで、前に飲ませたら飲みやすい!と気に入っていたものだ。
「かんぱーい!」
「乾杯!今日のライブお疲れ様」
背の高いシャンパングラスをチンッとお互いに合わせる。
ビーズクッションの上に座らされている私と、その横でハートのクッションを抱いて座っているあかりちゃん。
あーん!と甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる姿がなんとも可愛い。
「ニノちゃん」
シャンパンのボトルも軽くなってきた頃、座っているビーズクッションにあかりちゃんがもたれ掛かってくる。
目がトロンとしていて、頬は赤い。
ゴロゴロと猫が甘えるように膝の辺りに顔を擦り付けてこられて、何度かあかりちゃんの頭を撫でれば「もっとー」と額をゴリゴリと擦り付けられた。
「ふふ、あかりちゃん酒弱すぎ」
喉越しのいいシャンパンを飲み、あかりちゃんの緩くウェーブのかかった髪に指を絡める。
これで変なスイッチさえ入れなければ"噛み癖"は出ないのは何回か密に接するうちに学習した。
私だっていつもマウント取られてるわけじゃないのだ。
「私の恋人はお酒強過ぎなのぉ…」
大人しく髪を撫でられいたあかりちゃんがクスクスと笑いながら、そんな事を言ってきた。
くい、とグラスを傾けるその横顔をじぃと見てしまう。
柔らかい橙色の照明に照らされて頬の方まで睫毛の影が出来ている。
うん、まぁ。そりゃあそうだよね。
あかりちゃんこんなにも可愛いもの。
「お酒強い恋人は嫌い?」
「ううん、お酒飲んでもちゃんとしてるから全然平気」
「そう。それは素敵な人だ」
「うん、とっても素敵。大好きなの。」
「いいなぁ、あかりちゃんの彼氏。」
「はぁああああ?!!!なんで、ニノちゃんって今までの空気ぶち壊してくるわけ?!!」
「?!!!」
期間開きました_(꒪ཀ꒪」∠)_
ごめんなさい、また頑張って更新しますー!!




