ニノちゃんの憂鬱
Honeyのソロライブの日、キミの都合が合わなくて今日の同伴者はあの残念なイケメンだ。
電車で都内まで出るから合流しよう、と話していたのに朝、駅まで行こうと外に出たら既に外にいてビックリした。
ヤツの秘書の人が運転する外国産の高級セダン車に乗って北関東道を進む。
ずーっと絶え間無く話している残念なイケメンと四六時中一緒に居て疲れないのかな?とここ最近は秘書の人の精神衛生状態が気になる。毎日一緒にいれば慣れるものなのだろうか…。
運転している秘書の人はツンとした美人な男性だ。
髪の毛でも伸ばせばそんじょそこらの女にだって負けないだろう。
やたらと座り心地の良い後部座席のシートに寄り掛かり、残念なイケメンがずっと話している内容を聞く。
どこそこの飯は美味い、このビルは自分の持ち物、株価がどうのこうの、フランス産の美味いワインをプレゼントする、今度また別の会社を立ち上げる、等々。
よくもまぁ、ずっと喋っているもんだと思いながら聞いていた。
この車に乗ってから「へぇ」「すごい」しか言ってないなとぼんやりしていれば、唐突に残念なイケメンが「本当かい?!早速手配をしよう!!」と運転する秘書の人の座席をバシバシと叩いいる。
「…へ?え、あ、今ちょっと良く聞いてなかった…」
残念なイケメンのテンションの上がり方に驚いて、なんか面倒事に適当に相槌を打ってしまったんだと後悔した。
「社長は、新しく設立する芸能関係のプロダクションの代表を是非、貴女にとおっしゃっていたんです。」
話しを聞いてなかった、という私に秘書の人がすかさずフォローをいれてくれた。
おいおい、とんでもない話になってんな…。
「いやいや、芸能プロダクションの代表とか荷が重すぎるし無理…」
「なんでだい?!僕と二人三脚でやっていこうじゃないか!!そうだ、Honeyもヘッドハンティングしよう、それでどうだい?」
断りを入れた私に残念なイケメンが食い付いてくる、何度も言うが私はアイドル好きのHoneyの1ファンでありたい。と思っているから芸能関係の仕事に携わりたい訳じゃない。
あと、週休4日は欲しい。
働きたくないでござる、の理念を掲げて今までやってきた。
いきなり真面目に働くなんて無理な話だ。
「だって。私が代表とかになっちゃったら、社長とこうして自由に会うことも叶わなくなっちゃうでしょう?」
いかにも『私、困ってます!』という風に表情を作り、ね?と首を傾げて見せれば「それもそうだな!君との時間が減ってしまうのは困るね!」と納得してくれたから扱いやすい。
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遅筆ではありますが、今後ともよろしくお願い致します!




