吉報
凄い…凄く見られてる。
死んでる目で見られてる…!!
今すぐここから逃げ出したい。
「ニノちゃん…私の事、嫌いなの…?」
寒いわけじゃないのに鳥肌が止まらない。
「ニノさんはお前のことなんかアイドルの1人としてしか見てねぇよ!」
ああ、胃がキリキリしてきた…。
キミちゃぁーん!!!本当に空気読んで黙ってて。
必要以上に煽らないで…。
あかりちゃんが今すぐ呪詛でも唱えそうな表情でキミのこと見てるんだけど!!
「…ニノ、ちゃんは、私の事、だぁい好きだよね?」
あかりちゃんに再度問い掛けられた言葉に、首が取れるんじゃないかってくらいに頷く。
家で殺傷事件が起きる前に満足してもらって帰らせるのが先決だ。
「ダイスキ、私、あかりちゃんのことダイスキー!」
緊張し過ぎてカタコトになってしまった…。
キミが隣ではぁ?!という顔をしてたが気にしてる場合ではない。
私の返答に満足したのか、あかりちゃんの表情がパァーッと輝く。
うっ…。その笑顔は可愛い…!
「ふふっ、嬉しい!良い子のニノちゃんには、私からのお土産!」
ご機嫌になってくれたあかりちゃんが自分の鞄をゴソゴソと漁り1枚のチケットをテーブルに置いた。
何?と覗き込めば、ソロライブのチケットだ。
「え、え?ソロライブ…?」
「うん!ニノちゃんのおかげでお仕事も増えたし、ファンが増えてきたからソロライブやってみようか。ってライブハウスの店長が言ってくれたの」
まだそんな告知は全然無かったし、ファンの間でもソロライブなんて会話は皆無だった。
場所はいつものライブハウスだからキャパ的にはまだまだ小さいが、それでもソロライブを開催出来るって事は地下アイドル界でも少し認められた、という事だ。
ファンからしたらそりゃもう、嬉しい。
「まだ、みんなには内緒だよ?」
自分の唇に指をあて、シーッとポーズを取って悪戯っぽく笑うあかりちゃんに胸キュン。
ヤンデレストーカー体質でもやっぱり可愛いわ。




