み〇み〇派とま〇し派
『お久しぶりです♪今日オフなのでこれから、ニノちゃんに会いに行こうと思います♪♪待っててね!(๑ơ ₃ ơ)チュッ♥』
受信時間 7:44
現時刻 13:10
「はぁあああぁっ?!!」
「え?!な、なに?!」
いや、バカなのか…?
悪い冗談だろ。
どうした、こんな田舎に遊びに来るはずない。
仮にも彼女はアイドルだぜ?
ちょっと気の早すぎるエイプリルフール的なやつだろ。
ボゴボゴと吹きこぼれんばかりに泡をだしている鍋をよそに、メッセージを送ってきた張本人のSNSページを開く。
『待ち合わせ前だけど、ご当地名物の餃子なぅ(˙꒳˙)♪』
ああああああっ…!!!!
み〇み〇だよ!!!!
もちもちなヤツだよ!!!
コメント欄には、
・小旅行いいね!
・〇〇〇駅かな?楽しんできてね!
・餃子うまそー!
というコメントが並んでいる。
膝から崩れ落ちそうになるのを必死に堪え、吹きこぼれた鍋に更に悲鳴をあげる。
なんとかザルにあけた中華麺はツルッツルに輝いていて美味そうだ。
「大丈夫?」
ザーッと冷水に麺をさらしながら呆けていれば、まだ若干顔の赤いキミに心配された。
「大丈夫…焦ったら負けなだけ…」
「は?」
よくわかんない、って顔のキミがリビングから台所に来ようとした時にインターフォンが鳴った。
某コンビニの入店音と同じやつ。
「はーい」
台所にこようとしていたキミがそのまま玄関へと向かった。
何か頼んでたっけ?水か?
冷した麺を器に二人分に分けながら玄関の方に聞き耳を立てていれば、キミが「帰れーーー!!!」と怒鳴り出した。
ああ…なんか、凄く、物凄く嫌な予感がする。
「ニノちゃん!!来ちゃった!!」
キミを押し退けて台所に入ってきたのは、
可愛い可愛い、私の神推し。




