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推しからの愛が強い件  作者: しゃのあーる
あなたに会いたい
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現代の妖怪

あかりちゃんからの突然の噛み付きに身の危険を感じて決死の抵抗。

「痛いってば…!!!」

さっきまで噛んでいた所とはまた別に首筋に噛み付いてきたあかりちゃんの顔を鷲掴み、離れさせようと力を入れるも更に噛む力が強くなって目に涙が溜まる。

痛い、と反応し抵抗すればするほど噛む力は強くなり、あかりちゃんから時折、ふふふっ、と楽しげな声が聞こえた。

「ふ、ふざけんな、このドSがっ!!」

噛んでいた口が離れたタイミングを見計らって体を捻れば、抱きつくようにくっついていたあかりちゃんの体がバランスを崩しグルンと回転した。

「っぷ、はぁっ!」

上下が入れ替わり、あかりちゃんの顔が湯船に一瞬浸かったことで腕からの拘束が解ける。

好機!とばかりに、そのままバスタブから出てしまえばバシャァっと勢いよく体を起こしたあかりちゃんが恨めしそうにこちらを見ていた。


あかりちゃんがバスタブから出て追ってくる様子も無いのでササッと体を拭き浴室から出る。

(…妖怪、噛み付きアイドル…)

部屋に備え付けられていたバスローブを羽織り、ドレッサーの前に立てば首筋から肩口、胸上までの広範囲に噛み跡や内出血が出来ていた。

(仕事中どうすっかな…)

キャバクラ勤務の私にこの内出血だらけの胸元は笑えない事態だ。

うーん、と頭を抱えていれば浴室からあかりちゃんが出てきた。

少し不貞腐れている様な顔をしている。

ドレッサーの前で胸元をくつろげてアザを確認していた私とちょうど目があった。


「…私、謝らないから!」

「へっ……?」

プウッと頬を膨らませ、謝らない宣言をした、あかりちゃんに目が点になった。

謝らせようとかは別に思ってはいなかったが、何故、君が怒ってるんでしょうか…。

訳が分からなすぎて素っ頓狂な声を出してしまった。

そして、たいして体の水分を取らないまま出てきたのかポタポタと水滴を至る所から垂らしながらタオルを巻いただけの姿でベッドにを潜り込んでしまう。


結局なんなんだ、うちの推しは…。

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