強いこだわり
ホテルに戻てきてから、先に戻っているはずのキミ&蘭のペアを部屋と近くのコンビニを探しても見当たらなかった。
どこに行ったんだろうと思うも、あかりちゃんを部屋に1人放置する訳にもいかず私も部屋に戻ることにした。
まぁ、朝になれば何かしらの連絡が来るだろう。
あかりちゃんをキミが使う予定だったベッドに寝かせ、私はシャワーを浴びに浴室へと向かった。
なんと、ここのホテルはシティホテルには珍しいタイプの3点ユニットなのだ!
これは嬉しい。
あ、3点ユニットというのは洗面台、バスタブ、トイレの3点が一緒になっていてバスタブの外にシャワーの湯を出さないようにしてねー。というスタイルのものでビジネスホテルもシティホテルも多くはこの様式。
でもこのホテルはバスタブとトイレ、洗面台は一緒だが、中はガラスで仕切られていてバスタブとシャワーが独立してるおかげで家の風呂のようにバスタブの中で狭苦しく身体を洗うのではなく、洗い場で体を洗う事ができるのだ。
まぁ…仕切られてるとはいえガラス張りだから、トイレに入ってる姿も風呂に入ってる姿も浴室に入ってれば丸見えなのだけどね。
兎にも角にも、ゆっくり湯船に浸かれるのは嬉しい。
普段、私もキミもシャワーで済ましてしまう事が多いので湯船に入れる施設があるとテンションが上がる。
中華街の土産屋で買った白檀の香りの入浴剤を入れて体を沈めれば「ふぁぁあぁっ…」と声とともに全身の力が抜けた。
ほら、あのアニメのあの人の名言であるでしょ?
「風呂は命の洗濯ね♪ってかー」