諭吉も呆れる
とりあえず荷物を取ってこよう、と店内に一旦戻り再度店前に集合した時にあかりちゃんの携帯が鳴った。
今日の『営業』の成果報告の確認の電話なのだろうか、不安そうに電話に出るあかりちゃん。
「…え…?…本当…ですか?」
不安に押しつぶされそうな表情から一転、驚きに染まった顔に蘭ちゃんが首を傾げていた。
はい、はい…と返事をしてから電話を切ったあかりちゃんがフルフルと震えている。
「どうしたの…?」
恐る恐るといった様子で電話の内容を聞く蘭ちゃんにあかりちゃんが私と蘭ちゃんを交互に見て口をパクパクと動かす。
「浅井社長の子会社のイメージガールを是非、Honeyに、って!浅井社長が今日大変楽しかったです、って事務所に…!」
仕事が決まり興奮しているのかアワアワと言っているあかりちゃんが可愛い。
うんうん、お仕事が早いな。
残念なイケメンから、ちょっと残念なイケメンに変えてやろう。
蘭ちゃんも「え?!」と言ったまま固まっている。
「2人ともすっごいじゃーん。お祝いで飲み直そうよー」
成り行きを黙って見ていたキミが口を開く。
ランクアップした料理を1番ガツガツ食べ、フカヒレも煮付けているタレまでしっかり飲み干したキミだが、今日の出来事は少し不満だったらしく飲み足りない!!荷物を取りに戻った時にむくれていた。
「そうだね、まだ時間も早いし」
私はキミの意見に賛成し、仕事が決まって喜んでいる2人を見る。
「2人は行きますか?」
無理強いはしたくなくて、どうする?と尋ねるれば2人の声が揃い「「行く!」」と帰ってきた。
「あ…でも…お金…」
時間が早いと言えど、中華街のメインストリートの店はほぼ閉店時間になっていてブラブラしながら呑み処を探そうかと歩き始めれば、あかりちゃんがお財布の中身を気にする声を上げた。
そっか、地下アイドルの子達のお財布事情はあまり芳しくないのか…。
ノリで飲み直そうという誘いに乗ってしまった感があかりちゃんと蘭ちゃんの間に漂う。
「え?心配しなくていーよ。貰ったから。」
イヒヒ、と悪戯っぽく笑うキミに2人が首を傾げてた。
「さっきタクシー代と別にチップ貰ったから」
ペラッとキミのポケットから出てきた福沢諭吉が3枚。
大人しくしてたと思ってたけど、ちゃっかりしてる。
「どうしたの、それ」
「えへへー、今度ニノさんのブラジャー売る約束した…っいてぇ!!!」
ゴチンとキミの金髪頭に拳骨を落とす。
なんで人の下着を生贄にするんだコイツ。
そして、ちょっと見直した奴の評価もガタ落ちだ。
【ご報告】
活動報告にて報告したのですが、メインキャラ4人+はるかのキャラクタービジュアルをしんわ様(https://twitter.com/Ax8Eol)に描いて頂いております。
差し当たり、更新、活動報告用のTwitterアカウントを作成しましたので良かったらフォローお願い致します!
→https://twitter.com/oshiai_
感想やファンアートなども頂けたら泣いて喜んじゃいます(笑)
今後とも推し愛をよろしくお願いいたします(*´︶`*)