乳ドリブル
続々と運ばれてくる料理の中に北京ダック!!!と小躍りで騒いでいた私達のコースにはなかったフカヒレがついていた。
私達の知ってる大きさじゃないフカヒレの姿煮に目をキラキラとさせているキミ。
私もちょっとばかり酒を煽る回数が増えてしまった。
「はい、浅井さん。あ~ん♡」
取り分けられて小皿にのって回ってきたフカヒレを小さく取り、残念なイケメンの口元に運ぼうと動く。
鳥の雛みたいに口をあけるイケメン。
でも、残念。
フカヒレは私の胸に何故か落ちるのです。
「あ、落としちゃった…」
困ったように眉根を寄せ「拭いてくださる…?」と言えば残念なイケメンの顔が更に残念になっている。
おしぼりをすかさず残念なイケメンに手渡すキミ。
「よぉし!しょうがないなぁ、シミになってしまう前に僕が拭いてあげよう!」
シュバッと音が聞こえそうな勢いでおしぼりを構えた残念なイケメンは物凄くソフトにそのシミになっている部分を叩いた。
たゆん…
たゆん…たゆん…
タプタプタプタプタプタプタプタプ…
「…うおおおおおおおおぉぉっ!!!!」
その乳の柔らかさたるや。
雄叫びをあげながらトントンと、しかしソフトに叩く残念なイケメン。
餃子が育んだお肉が今ここで物凄い価値に変貌している。
「…ひぃ…っ」
あかりちゃんが胸をタプタプさせ目が血走る残念なイケメンの姿に小さい悲鳴をあげていた。
蘭ちゃんの白けた視線が痛い、痛すぎる。
わかってる、こんなのドン引き以外の何者でもないって。
そんな目で見ないでくれ…死にたくなる。
でもいいんだ、君達に被害が及ばなければ。
「あん♡は、げ、し、い…」
一連の茶番劇に顔を真っ赤にしているあかりちゃんが可愛くてしょうがない。