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推しからの愛が強い件  作者: しゃのあーる
あなたに会いたい
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小籠包と青島ビール

簡単に身支度を整えて中華街へと出た。

レストランの予約の時間には少し早いが異国風の街を散策してから行く予定だ。

出て直ぐにメディアで何かと見かける焼き小籠包の店に行き、青島ビールと小籠包で1杯目。

日本のビールよりもちょっと癖のあって苦手な部類にはいる青島ビールも雰囲気に飲まれてるせいで非常に美味い。

アチアチと言いながら小籠包をイートインスペースでいただいた。


夕方の夕飯にする?食べ歩く?みたいな微妙な時間帯なので土産も併設している店内に人は私達しか居ない。

店頭では過去に取材され、放映された情報番組を繰り返し流している音が聞こえる。

食べ放題レストランの呼び込みの中国人のお姉さんの声と観光客達の雑多な音で店の外は賑やかだ。

「ニノさん!こっち向いて!」

小籠包を口に頬張り中身の熱さに涙目になっていたところをキミに声を掛けられ、キミの方を見る。

こっちを向けらていたキミのスマホからパシャとシャッター音が聞こえた。

このやろう…。

「良い顔撮れた!」

えへへー。とだらしなく笑いながら見せられた画面には口を尖らせて涙目になってる自分の顔。

「これをー、ニノさんのお客さんに高値で売り付けるんだー!」

「…やめろ、バカ。買うやつ居ないだろ」

私の客に売るだと…誰が買うかそんなもん。

「え、だって旅行行くんだー。って話したらオフショットを撮ってきてくれって10人くらいに言われたよ」

お前は私の客に何を言われてるんだよ…。

言った覚えがないのに、何人かからしつこいくらいに旅行行くんだって?と聞かれたわけだ。

クソ、旅行を内緒にして客分の土産代をケチる気でいたのに!

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