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推しからの愛が強い件  作者: しゃのあーる
あなたとそれから
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終電まで

感情が昂りすぎて涙が止まらない私に構わずに曲が終わって、また彼女たちのMCが始まった。

歌声と話す時のギャップのすごい"みみ"ちゃん。

気さくな感じで自称"堕天使"の"はるか"ちゃん。

ゆるーい2人の掛け合いに会場が笑い、常連客の1人を2人で弄り更に笑いが起こった。

完全に「初めまして」だった私もよく分からないなりにその空気を楽しむ事ができた。


可愛い女の子達がはつらつとした笑顔で話し、歌い、踊るステージの上。

ずっと見ていたいと思うその光景。

「すごいね…地下アイドル」

また曲が変わり今度はポップな感じで振り付けを覚えれば客も参加出来る曲のようだった。

全然知らない曲なのに自然と手拍子をしてしまう。

「ずっと見ていたい」

会場の空気に完全に飲まれてしまっている私が呟いた言葉にきゅうちゃんが嬉しそうに笑っていた。


しかし、そんな表情のきゅうちゃんに肩を叩かれスマホ画面を見せられて現実に引き戻される。

大きく表示してある時計の表示は22時を少し過ぎた頃。

「新幹線の時間だからそろそろ出ましょうね!」

時間は残酷だ…。

ステージのボルテージはあがりきっていて、まだまだこれからといった様子だ。

しかも今日は特別企画で勝てば彼女たちの私物をプレゼントしてくれるジャンケン大会もあるとさっき言っていた。

「か、帰りとうない…!!!」

このセリフが恋人同士とかだったらその日の夜はお楽しみな状況になるのかもしれない。

けれど、きゅうちゃんは私の言葉を右から左に華麗に聞き流した。

「行きますよ…」

念を押されるように言われた言葉に拒否権はなくて名残惜しくてステージをチラリとみる。

ああ、さよなら天使達…。

私は田舎に帰らなきゃならない…。

会場から押し出され、かろうじでロビーで今日のフライヤーを貰えば慌てて表通りに出てタクシーを拾い上野駅まで。

タクシーの中では最後まで見たかったー!ときゅうちゃんに文句を言いながらも、あの曲が良かったとかどっちの子が好みかとかを延々と喋っていた。

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