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推しからの愛が強い件  作者: しゃのあーる
あなたに会いたい
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身支度問題

女神キミ様の力で横浜遠征が決まった。

遠征に行くのは今月末。

まだ月の半ばなので半月はある。

時間はあるようでない。

宿を決めたり交通手段を確保したり、やるとこは多い。


そして、1番の問題が腕の中にいた。


「…キミ、一応聞くけど"その格好"では行かないよね?」

"その格好"とはそう。

この女神様、基本的にスエットなのだ。

仕事中はキャバドレスだったり、キャバワンピースが制服みたいなものだから服装は関係ないのだけど、同伴出勤やお客様との食事だったりは私服になる。

着の身着のまま、財布だけを持って家出してきたこの女の私服は我が家にはない。

洗濯しててもスエットかジャージ、パイル生地のピンクの部屋着しか見た事ない。

同伴出勤の時には私の服を着て出掛けて行くのだ。

「え?これでいいじゃん!」

スキンシップに満足したのか頭を撫でくり回されニコニコとしているキミが腕の中で悪びれることなく言った。

横浜=都会、オシャレな街。の田舎者の私にこのスエットの女神様を連れて歩けと…?

ありえないっ!!!と突発的に叫び、腕の中のキミをギューッと力任せに締め上げる。

痛い!痛い!苦しい!とじたばたと動くキミを解放し、キミの肩を掴む。

「キミ、出掛けよう。洋服買おう。チケットのお礼に何着か買ってやる。」

見栄っ張りだと笑うがいいさ…。

ボサボサの頭でスエットでサンダルで行ける場所なんて精々近所の深夜のコンビニだけだろ。

友達のいない私だって連れは選ぶのだ。

離席状態になっていたオンラインゲームをログアウトし、部屋着から着替え出せば「お出掛け?!嬉しい!!」とキミは子犬のようにはしゃぎ出す。

はしゃぐ姿だけなら本当に可愛らしいのだ。

自分の髪を梳くついでにキミの髪も梳いてやればボサボサの金髪も少しは綺麗に流れる。


キミの身支度への意識改革をして、

宿を決めて、交通手段を決めて、

観光したいところを決めて、

買い物したいものも食べたいものも決めたいから観光雑誌を買ってこよう。

半月間は多分あっという間だ。

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