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推しからの愛が強い件  作者: しゃのあーる
あなたに会いたい
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どっかに行きたい!

遠征…。

徒歩10分のコンビニを"遠い"と思う人がいるかもしれない。

その一方で、飛行機で約7時間かかるハワイを「近い」と思う人がいるかもしれない。

例えば、あなたが北海道に住んでいるなら、距離的に近い私の地元よりも、それより遠いが飛行機一本で行ける「大阪」や「福岡」のほうが"近い"と感じるかもしれない。


日頃、出不精の私からしたらどこに行くにしたって"遠い"のだ。

風呂やトイレですら遠い。

玄関に行く事は遠すぎて行くには大変な労力を消費するのだ。

キミが家に転がり込んでくるまで、日中の訪問者は何回ピンポンを押されようがドアを叩かれようが無視するほどだった。


その点、同居人のキミはアクティブだ。

毎週末にはどこかに出掛けてSNSには〇〇に行ってきた、と投稿している。

毎度誘われるが断り続けてたおかげで誘われなくなった。

自称東京のネズミの王国に週末に行こう!と誘われればそりゃ断るだろ。

あんな人が多いところ平日だってお断りなのに。


それが私が地下アイドルにハマってから週末都内に出てることが多く、朝っぱらから家に居ないことが増えた。

出掛けられるなら一緒にどっか行きたい!と騒ぐキミに、基本的に1人で自由に動きたい。私との間で衝突が起きた。

「今度の週末はワンちゃん見に出掛けようよ!」

「その日はにゃんだふる!のライブで都内だから無理」

「ねぇねぇ、今度の週末いちご狩り行こうよ」

「その日は多分家でフルーチェ食べる予定だから無理」

「ねぇ!今度の週末、フラワーパークに花見に行こうよ!」

「その日はウルダハで花見するから無理」

「それゲームの中の話じゃん!!!」

しつこい。非常にしつこい。

いい加減、適当にあしらわれてるのをわかってもいい頃ではないかと思い始めた頃、自称温厚なキミもヒステリックに怒りだした。

「なんで?!遊んでよっ!!出掛けようよ!」

「勝手にどっか行けばいいだろ。家も一緒、仕事場も一緒、休みの日まで一緒ってそんなん彼氏より長時間一緒にいるぞ。お前」

「彼氏いないじゃん!!!あたしと遊んでよ!!!」

自分の部屋に引きこもりお気に入りの座椅子に座ってダラダラとパソコンでオンラインゲームをしていた私にキミが食ってかかってきた。

うるさい、シッシッと手を払うように動かせば、キーーーッ!!!と地団駄を踏んでいる。

飼い猫も心配そうに私達のやり取りを私の膝の上で見ている。

よくまぁ、めげないもんだ。と思っていれば今日のキミちゃんはひと味違った。

「……じゃあ…横浜行こうよ…」

ムスっとした顔で言われた地名に「は?なんで横浜?」と返せばダボダボのスエットのポケットからスマホを取り出し画面を見せてきた。

画面には「IDOLフェスin横浜」の文字。

あー、Honeyがでるイベントなんだよな。

「ニノさんが好きなアイドルが出るライブ、だったら行く気起きる…?」

キミなりに調べて、切り札だったのだろう。

そうまでして一緒に出掛けたい気持ちは私にはよくわからないが。

「うん、行く。」

「クソ!即答かよっ!!!!」

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