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推しからの愛が強い件  作者: しゃのあーる
あなたとそれから
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駅員さんの肩トントン

ステージからの音漏れが聞こえるくらいに静かなロビーにはさっき声をかけてくれたあかりちゃんと蘭ちゃん、そして私しか居ない。

私のそばを離れてからはあかりちゃんが蘭ちゃんに抱き着いたり、キャッキャ笑い声をたてながらじゃれて遊んでいるのが視界に入った。

可愛いなぁ、天使かよ。

少し気持ちも体調も落ち着いてきたが、またあの人の多いステージの方に戻る気にはなれずに今日のところは帰ろうと立ち上がる。

電車の時間まではまだ少し時間があるから、物販スペースを見てから帰ろ。

そんな事を思いながらじゃれて遊んでいる2人の方へ行けばあかりちゃんに「大丈夫?気分よくなった?」と心配されて申し訳ない気分になった。

「人酔いしちゃうよね、狭い場所にいっぱい人いると」

「でも、これに懲りないでまた見に来てね!」

あかりちゃんとお揃いのTシャツを着ている蘭ちゃんにも心配されて、あかりちゃんにまた来てねと言われれば優しさに鼻の奥がツンと痛くなる。

ビジネスだとしても優しい言葉は嬉しいものだ。

「…ありがとうございます。またHoneyの事、応援しに来ます。」

素直な気持ちを伝え、Honeyの物販物を全種類ください。と言えば、2人に一瞬目を丸くされすごく慌てられた。


人が居なかったおかげか、気さくに話しを振ってくれたり、最後の1枚だって言っていた彼女たちデザインのTシャツには名前入りでサインしてくれた。

そんな特別感を感じられた2人のファンサービスは私のハートを鷲掴み、ボーッと惚けながらフラフラと地元に戻るべく駅に向かう。

渡された紙袋はCDとグッズ、フォトブックなどでずっしり重たい。

帰りに秋葉原にある特殊な本屋さんで薄い本を買ってこうかと少し多めに持ってきていたお財布の中のお小遣いは電車代を残して全部無くなっていた。


ライブハウスからの帰り道は比較的迷子にならず駅にたどり着くことが出来た。

やればできる子だと自分を褒めたい。

電車のに乗り込んでしまえば秋葉原からは上野で乗り換えるだけ。

乗り換えてからゆっくりと腰を落ち着けてしまえば、SNSを開きHoneyの2人をフォローした。

タイムラインは今日のライブのお礼やら感想やらで盛り上がっている。

ひとつひとつをちゃんと読もうとするも電車のゆっくりとした揺れは心地よくて荷物を抱いたまますぐに寝てしまった。


その後、約2時間半起きることなく寝続けて地元を通り過ぎた1駅先の終点の駅で駅員さんに起こされました。

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