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また、誘拐されたい  作者: Rewrite
3/3

after story

感想の方で二人のその後が気になるという意見があったので、自分も書きたかったこともあり、書きました。

ただ蛇足と思われる方もいるのかもしれないので、そこはごめんなさいです。

 気が付けば、あれから4年という月日が経過していた。

 すっかり住み慣れてしまった檻の中で、上の方にある唯一の窓から外を眺めつつそんなことを思う。


「よう、なに黄昏てるんだ? まだ黄昏るには日が高いと思うぜ? 雄二」


 声がしたのでそちらに目を向けると、そこにはこの刑務所の制服に身を包んだ少しチャラそうな見た目をした男が立っていた。


「何か用ですか? 運動時間にはまだ早いと思いますけど」

「そうツンケンすんなよ雄二。俺とお前の仲じゃないか」

「いや、僕と小野さんの関係って囚人と刑務官じゃないですか」

「んな冷たいこと言うなよ。もう4年の付き合いだぜ? ダチ同然だろ?」

「この状況で一緒に4年を過ごしたからって友達は無理があるような……」


 今話していた通り、小野さんとはここに入ってすぐからの付き合いなので、かれこれ4年の付き合いになる。

 最初は見た目やしゃべり方から僕の苦手なタイプだと思っていたんだけど、実際は囚人の仲でも弱い立場にいる僕に優しくしてくれる良いタイプの人だった。

 正直、小野さんがここの刑務官じゃなかったら僕はもっとつらい囚人生活を送っていただろう。


「それで? 本当になんのようなんですか?」

「ああ、いやな、ほら、お前も明日で卒業じゃん? ちょっとその話をな」

「卒業って……。まあ、似たようなもんですけど」

「それでよ、お前はここを出たらどうするのかって思ってさ。少し雑談をな」

「……いいんですか? それって普通にサボり……」

「囚人とのコミュニケーションも刑務官との務めだからな。俺はちゃんと罪を償おうってやつを馬鹿にしたりはしねぇ」


 サボりという言葉を遮るようにかっこいいセリフを吐きながら小野さんが笑う。


「それで、マジな話その辺はどうなのよ?」

「まあ、普通に一旦は実家に戻って親の世話になりつつ仕事と家を探すって感じになると思いますよ。親も僕のことを見放さずにいてくれるみたいなので」

「実家はこの辺なのか? 仮に遠かったとしてこの辺に戻ってくるのか?」

「実家は少し離れてますけど、十分ここに遊びに来れる距離です。次の家は仕事次第ですけど、まあ近いところにはなるんじゃないですかね?」


 はっきりとしたことは言えない。

 だって、ここを出たからと言ってすべての罪がなくなるわけではない。僕のした罪は未来永劫消えることはなく、一生背負って行かなくてはいけないものだ。

 だから今まで通りの生活が遅れるだなんて微塵も思っていない。むしろ過酷な人生になるような予感しかしない。

 たとえ僕のしたことが善意からの誘拐だったとしても、世間からすれば僕は中学生女子を誘拐した変態ロリコン大学生だろう。


「そいつはよかった。ここを出たらもう他人なんて俺は嫌だったからな」

「……僕がここを出てからも会おうってことですか?」

「たりめーだろ。さっきも言ったけど俺とお前はもうダチだ。ダチだったら会いたいときに会っても変じゃねえだろ」

「なにも僕なんかを友達にしなくても……。小野さんなら普通にもっと友達がいるでしょう? 僕みたいな悪人を友達にする必要がない」


 小野さんはいい人だ。何度だって言おう。小野さんは良い人だ。

 そんな良い人が僕みたいな逮捕歴のある人と仲良くしているのは世間体を考えればよくはないだろう。

 ここでお世話になった恩人に、僕はそんな恩を仇で返すような真似はしたくない。


「バカ言うな。俺のダチは俺が決める」


 またこの人はかっこいいことを言う。

 僕とは大違いだ。


「それにな、前にも言ったけど俺は雄二を悪人だとは思ってねえんだよ。正直ここに来るような奴じゃないと思ってる」

「前にも言ったけど、僕は女子中学生を誘拐した変態ロリコン大学生だよ。元だけど」


 軽く自虐を挟みながらそう返すも、小野さんは真面目な顔を崩そうとしない。


「そうは言うけどよ。誘拐されてた女の子……美里ちゃんだっけ? の証言だと、お前に対する悪意なんてものは一つもねえんだよ。むしろ感謝してるとか、恩人だとか、そういった好意的な発言しかない。むしろ最初の頃はお前を助けようとしていたくらいだ」

「……らしいですね」

「途中からは誰にも相手にされないって何も言わなくなったけど、毎週かかさずお前に手紙を渡してくれって持ってきてたし、俺からしたらお前は何かいいことをするために悪い方法を使ったようにしか見えない」

「悪い方法を使ったんなら悪人じゃないですか」

「確かにそうかもしれないけどな、俺はそれしか方法がなかったら仕方がないことだってあると思うんだよ。特にお前は不器用だしな」

「……」


 小野さんはことあるごとに事件の真相を突き止めようとしてくる。

 そのたびに僕は今のような返しをしているんだけど、一向に納得してくれる気配はない。


「……なあ、本当に手紙、読まなくていいのか?」

「……いいんです。僕に読む資格なんてないんですよ」


 美里ちゃんからの手紙。

 正直に言えば中身は気になるに決まっている。

 ただ、中身の予想は大方着いてはいるのだ。きっと、僕のことを思った発言がたくさん書かれているんだろう。美里ちゃんは優しいから、こんな僕のことでも気を遣ってくれるに違いない。

 だからこそ、僕は手紙を読まない選択肢を取った。

 あの置き手紙に書いたように、これからの美里ちゃんの人生に僕はいらない。

 もし手紙を読んでしまえば僕は返事を書いてしまうかもしれない。それを小野さんに渡して美里ちゃんの元へ送ってしまうかもしれない。

 そんな可能性を確実につぶすためには、そもそも手紙を読まないくらいしか方法がなかった。


「んなことないって言ってるのに、お前も頑固だな。おかげで俺の部屋は手紙まみれだぜ」

「だから捨ててくれていいですよって言ってるじゃないですか」

「そういうわけにはいかねえだろ。お前が読みたくなった時にもう捨てちまったなんて言いたくねえんだよ」

「小野さんも頑固じゃないですか」


 小野さんはわざわざ美里ちゃんからの手紙はここではおいておけないからと自分の家で保存してくれている。

 今みたいに捨てていいと何度言っても、そういうわけにはいかないとかたくなに拒否してくる。


「そういや、ここに1カ月は美里ちゃん手紙を渡しに来なくなったな」

「いろいろと大変なんじゃないですか。もう高校を卒業する頃ですし、友達との思い出づくりやら就職か進学の準備だったり、やることはたくさんあるでしょ。それか返事もしない僕をようやく忘れて自分の人生を生きてくれる気になったんですよ。もしかしたら今頃は彼氏とかもできて幸せ真っただ中かもしれません」

「そうは思えねえけどなぁ。どんなに天気が悪くても、用事があっても、毎週欠かさず手紙を届けに来てたあの子が諦めるなんて」


 小野さんはそう言いながら納得できないと唸っている。

 でも、結果だけを見れば一目瞭然だ。美里ちゃんは僕のことを忘れて生きようとし始めている。もしくはもう生きている。

 だから1カ月もの間、手紙が一切来なかった。なにも変なところはない。

 ただ少し、寂しい気持ちに僕がなってるだけだ。


「まあいいや、とりあえず外での基盤が整ったら一緒に飲みにでも行こうぜ。その時はちゃんとタメ口でな。同い年なんだから」

「機会があったらいいですよ。タメ口は約束できないですけど」

「なんでだよ!?」

「もう囚人として敬語を使うって感じで慣れちゃってるんですよ。外であっても癖が出るかもしれないです」

「どうにかしろ」

「善処はします」

「それやらねえ奴じゃねえか!!」


 こんな会話をあと5分ほどして、小野さんは「やべっ、そろそろ戻らねえと!」と言って、どこかへ行ってしまった。

 それからいろいろなことに思いを馳せているうちに一夜が明け、とうとう僕の出所の日がやってきた。


「寂しくなっちまうな。……なあ、留年しねえ?」

「しないですよ。というか刑務所の留年ってなんですか」

「だよな。つか、俺も雄二とは外でもっといろんなことしてぇし」

「機会があったらですけどね」

「あったらじゃねえ、作るんだよ。あと敬語。もういいだろうよ」

「それもそうかな。とりあえず、今までありがとうね、小野」

「おうよ! あと、下の名前で呼んでくれてもいいぜ?」

「それは次の機会にでも取っておくことにするよ」

「ハハッ。昨日はあんなこと言ってたやつの言葉とは思えないな」

「なんのことやら」


 こんな感じで刑務所の入り口で小野と少しの会話を楽しんだ。

 それと小野の携帯番号もメモに書いてもらった。「ちゃんと落ち着いたら連絡しろよ!」なんてセリフ付きで。


「それじゃあもうそろそろいくよ」

「ああ、達者でな」


 最後の挨拶を交わし、僕は小野に背を向けて門の方へと向かって歩いていく。

 それをおそらく手を振りながら「またなーっ!」とかって小野は見送ってくれる。

 こんな僕にでも友達は作れるんだな。なんて思いながら門の前に立ち、様々な思いをもって門をくぐる。

 これで僕も晴れて出所だ。


「今までお世話になりました。ありがとうございました」


 後ろを振り返り、小さくなった小野を一瞬視界に入れてから大きく頭を下げる。

 そしていつまでもこうしていられないと頭をあげて、右を向くと女の子がこちらに向かって歩いてきていた。


「な、なんだろう……。ひさびさに刑務官以外の人と会うから緊張する」


 刑務所にいる間はもちろん外の人と会うことはない。

 会うのは同じ受刑者か刑務官か、会いに来てくれる人―――僕で言えば両親だけだった。

 本当はもう一人いるけど、美里ちゃんとは意地でも会わなかった。

 そういった事情からか、赤の他人とはいえ人とすれ違うのに妙に緊張する。


「あ、足が動かない……」


 あまりの緊張からか、足が動かない。

 今の僕にできるのは俯き、前から歩いてくる女の子におびえながら、早く通り過ぎ去っていくのを願うのみだった。

 なのになぜか、その女の子は僕の目の前で立ち止まり声をかけてきた。


「今、出所されたんですか?」

「は……はい」


 あまりの出来事に混乱しながらもどうにかしどろもどろになって答える。

 というかなぜこの女の子は僕なんかに話しかけてきたんだろう。

 ただの興味本位? それにしたって普通出所直後の人に話しかけるだろうか? 怖いとか思わないんだろうか?

 そんなことを頭の中でぐるぐると思考させていると、女の子はさらに質問を続けてきた。


「どうして捕まっちゃったんですか?」

「え、えっと、誘拐をしてしまって……」

「それは悪いことなんですか?」

「そ、それはそうでしょう。普通に犯罪ですし……」

「でも、やったことは間違ってたかもしれないですけど、やろうとしたことは間違ってなかったかもしれませんよ?」

「そ、それは僕の口からは何とも……」


 この女の子は何を言っているんだろう?

 やったことは間違ってても、やろうとしたことは間違ったことないなんて、普通は出所した直後の人間に言わないだろう。

 しかもその答えを言える人はやった側の僕じゃない。言えるのは僕とは逆の立場の人だ。

 僕が何を言ったって、ただの自分に都合のいい解釈を並べ立てた詭弁にしかならない。


「それじゃあ最後の質問です。……私は可愛いですか?」

「へっ? えっと、可愛いんじゃないでしょうか?」


 質問の意図が全く分からなかったし、正直顔なんて一瞬たりとも見ていないけど、ここで可愛くないです。なんて言えるはずもない僕は無難な答えをした。

 すると、女の子がくすっと笑った声が聞こえた。

 ……もしかして僕、からかわれてる?


「嬉しいことを言ってくれたお兄さんに、優しくてかわいい私がさっきお兄さんが答えに詰まった答えを教えてあげますね」

「え? 君、何を言って―――」


 るの? という言葉の続きを遮るように、女の子が口を開いた。


「私は救われましたよ」


 何を言ってるのだろう。

 どういう意味なのだろう。

 そんな考えより先に、僕は顔をあげていた。

 そこには僕の知っている顔とは少し違ったけど、確かに見覚えのある顔があった。


「やっと顔をあげてくれましたね、お兄さん!」


 そう言いながら女の子が―――美里ちゃんが抱き着いてくる。


「えっ!? は!? な、なんで!? なんでここに美里ちゃんが!?」

「なんでって、会いに来たんですよ。お兄さんに」

「だからなんで……」

「お兄さんが悪いんですよ。私が何度面会を求めても会ってくれないし、手紙も返事くれないし、だから強攻策をとることにしました」

「強攻策って……」

「だって、ここを逃したらもう一生にお兄さんに会えない可能性の方が高かったんです……」


 確かにそうだろう。

 僕が刑務所にいる間は僕の居場所が特定できる。

 でも、ここを出てしまえば僕の居場所を見つけ出すのは難しい。はっきり言って不可能に近い。

 だとしたら美里ちゃんの言う通り、僕が出所するこのタイミングが一番僕に直接会いやすいタイミングだろう。


「あれ? でもなんで僕が今日出所するって知ってるの? こういうのってネットとかに情報が出回るものなの?」

「出ないんじゃないですかね?」

「じゃあどうやって?」

「小野さんに聞きました。聞いたら普通に教えてくれましたよ。「ちゃんと手紙読めって言ってやれって」」

「小野……」


 もう刑務所の中に戻った小野に恨めしい目を向けて、美里ちゃんに向き直る。


「とにかくお兄さん。出所、おめでとうございます」

「あ、うん。ありがとうね」

「あれ? なんか前と雰囲気違くありませんか? 前はもっと気持ち悪いこと言ってたじゃないですか?」

「いや、その……。美里ちゃんこそ随分と変わったね」

「身体つきがですか? やっぱりお兄さんはロリコンですね」


 そう言いながら美里ちゃんが体をかばうようにする。


「いや、確かに身体つきもそうだけど性格の方だよ。というか、女子高生はロリコンなの?」

「私をこういう風にしてくれたのはお兄さんですよ。お兄さんのおかげで私はここまで変われたんです」

「そんなことないよ。僕はあくまで美里ちゃんがちゃんとみんなに愛されてるって教えてあげたかっただけで……」

「だからそのおかげだって言ってるんです。普通はできませんよ。自分の人生を棒に振ってまで、誰か人ののことを助けるなんてこと」


 確かにそうなのかもしれない。

 でもあの時の僕はそんなことを微塵も考えていなかった。なんなら今美里ちゃんに言われるまで、そんなことを考えたこともなかった。

 だって、そんなつもりは一切なかったんだから。


「本当にありがとうございました。お兄さん。今の私があるのは、お兄さんのおかげです」

「いいんだよ。僕が勝手にやっただけだもん。それにそんな大したことをしたつもりもないんだ。ただ無我夢中でやりたいことをやってたってだけで」

「そのことにお礼を言ってるんですよ。お礼は素直に受け取っておいた方がいいですよ」

「そっか……。うん、ありがとう」


 本当はもう会うつもりはなかった。

 話すつもりもなかった。

 でも、こうして会って、話して、僕のしたことは間違ってなかったんだと思えて嬉しかった。

 だからといって、こんな幸せな時間をいつまでも教授いているわけにはいかない。

 これ以上、美里ちゃんの時間を奪ってはいけない。

 手紙にも書いたように、これからの美里ちゃんの人生に、僕はいらない。


「美里ちゃんの元気な姿が見れて安心したよ。これで僕も悔いがない。それじゃあ、元気でね」


 ぐだぐだと話していると、どんどんと別れがつらくなってしまう。

 だから僕は矢継ぎ早にまくし立てて会話を終わらせて、美里ちゃんに背中を向ける。


「ま、待ってよお兄さん!!」


 そのまま歩き出そうとしたら、美里ちゃんに服の裾をつかまれてしまった。

 これでは逃げられない。


「なんで逃げようとするの? そんなに私に会いたくなかった?」

「そんなことないよ。むしろあえてすごく嬉しい」

「だったらなんで……」

「僕にはもう美里ちゃんに会う資格がないんだよ」


 そう、僕には美里ちゃんに会う資格なんてない。

 いくら美里ちゃんを思っての行動だったとしても、そしてそれが結果的にいい方向に作用したとしても、それでももう美里ちゃんは僕とかかわるべきではない。

 自分を誘拐した張本人である僕と一緒にいるべきではない。


「ねえ、お兄さん。自分が言ったこと覚えてる?」

「な、なんのこと?」

「「人を愛するのにも愛されるのにも資格なんて必要ない」これ、お兄さんが私に言ってくれた言葉だよ。それで、この理論で言うと、人と会うのに資格なんていらないんだよね? 会いたいって思ったら会ってもいいんだよね?」

「そ、それは―――」


 言った。確かに僕はこんな話を観覧車で美里ちゃんに話した。

 今となっては少し偉そうだったかな? 恥ずかしいこと言っちゃったかな? みたいな感じだけれど、確かに覚えている。

 というか、美里ちゃんとのことは忘れるはずがない。


「だからさ、お兄さん。これからもいっぱい会おう? 一緒にいよう? 私はもっと、お兄さんと一緒にいたいよ……」


 ああ、ダメだ。

 どんなに強固に固めていた思いも、どれだけ厳重にしていた鍵も、美里ちゃんの今のたった一言で全部が無駄になってしまった。


「……いいの? こんな気持ちの悪い僕と一緒にいて? せっかく誘拐から解放されたのにさ」

「いいんだよ。それにこれからは誘拐じゃないでしょ? 誘拐でも私はいいけど」

「ははっ。冗談にしては笑えないね」

「冗談のつもりはないんだけどね。最悪は今度は私がお兄さんを誘拐してでも一緒にいるつもりだったし」

「それはそれでありかもしれない」

「うわー……、やっぱりお兄さんはお兄さんだ」

「美里ちゃんこそ、本質的にはあの頃の美里ちゃんだ」


 笑いあいながらお互いに顔と顔を合わせる。そうすれば自然と目と目が合わさる。そして心も少しずつ重なっていく。

 きっと、今の僕と美里ちゃんの想いは一緒だろう。


「行こうか、美里ちゃん。僕のいない間にあったことでも話してくれながらいろんなところに」

「うん。そうしようお兄さん!!」


 言葉と同時に二人で並んで歩きだし、どちらからともなく手を繋ぐ。

 最初こそは変わった出会いで、一旦は離れ離れになってしまったけれど、もうこの手を離すことは二度とないだろう。というか、絶対に離さない。

 そう心に固く誓った。


「はあ~……4年ぶりの美里エネルギー。最高すぎる……」

「お兄さん、久しぶりでそれはキツイ……」



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